世界のトンデモ空港 手を伸ばせば飛行機に届く? 航空ファンの聖地、その実態
高度な技術が求められる極短滑走路
同じような空港は、エーゲ海西部に位置するスキアトス島(ギリシャ)にもあります。映画『マンマ・ミーア』のロケ地として知られ、70か所以上もの美しいビーチや入り江を有する面積約50平方キロメートルの小島です。
スキアトス島国営空港の滑走路は全長約1600m。これは羽田空港でいちばん短いB・D滑走路の全長2500mよりも大幅に短いうえに、両端は海という環境です。最小高度でのアプローチが必要で、少しでもズレると着陸復行(着陸を断念し上昇体制に移ること)を求められます。そのため、離着陸を許されるのは、特別な訓練を受けた高度な操縦技術を持つパイロットのみ。滑走路に刻まれた真っ黒なタイヤ痕が、そのアプローチの難しさを物語っています。
隣接する港やビーチは、頭上すれすれをゆく飛行機が見られるとあって、島内でも人気の観光スポットに。飛行機が飛来するたびに、爆音と歓声に包まれます。また、地中海らしい真っ青な空と海に映える白い機体がフォトジェニックであることから、この撮影を目的に島を訪れる人も多いそうです。
紹介した両空港へは、日本からの直行便はなく、乗り継ぎが必要です。「プリンセス・ジュリアナ国際空港」へは、アメリカ・ニューヨークやカナダ・トロントを経由するのが一般的。「スキアトス島国営空港」へは、ドイツ・ミュンヘンやトルコ・イスタンブールなどを経由してまずはギリシャ・アテネへ向かい、そこからさらに飛行機で約50分です。夏のシーズンには、ギリシャ本土から高速船も運航しています。いずれも、日本からたどり着くまでに1日以上かかる「秘境空港」と言えるでしょう。
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※記事制作協力:風来堂
あと数年後に飛んでも宇宙港が世界各地に造られそうだな