JR九州の次世代車が一挙2タイプ登場! 新技術初採用「YC1系」と省エネ推進「821系」(写真163枚)

営業運転はいつから?

 車体は出入口のドアを片側3か所に設け、客の出入りがスムーズになるようにしました。また、出入口の段差をなくしてバリアフリー化を図っています。座席はロングシートとクロスシートを組み合わせた配置で、クロスシートには大きなテーブルも設けられました。

Large 181005 jrk821yc1kei 15

拡大画像

821系の外観(2018年10月5日、草町義和撮影)。

 YC1系と同時に公開された821系も省エネ化を進めた新型の電車です。2月に6両(3両×2編成)が搬入されました。今回公開されたのは2編成のうちの1編成です。

 炭化ケイ素(SiC)という新しいタイプの半導体をモーターの制御装置に採用。415系に比べ消費電力量を約70%低減できるといいます。車内の座席はロングシートですが、背もたれが高くなりました。また、ベビーカーを持った客や車椅子の利用客が使えるスペースが1編成につき2か所設けられています。

 ちなみに、YC1系と821系は共通の技術や同じ部品を使っている部分が多数あります。たとえば、台車ごとに制御するブレーキシステムを採用。車両と地上施設の状態を監視するシステムも搭載しました。

 車内のサービス設備の仕様も一部共通になっていて、座席はひとりあたりの腰掛けの幅を拡大。4か国語対応の案内表示器やダウンライトタイプのLED照明を採用するなどして、サービスの向上を目指しています。車体外側のドアの両脇には、足元のホームを照らすライトが設置されました。

Large 181005 jrk821yc1kei 16 Large 181005 jrk821yc1kei 17 Large 181005 jrk821yc1kei 18

拡大画像

拡大画像

拡大画像

821系の車内。
821系の車体側面。
ドアの両脇には足元を照らすライトが設置された。写真はYC1系のもの。

 設計上の最高速度はYC1系が110km/h、821系が120km/h。定員(うち座席)はYC1系が2両で232人(76人)なのに対し、821系が3両で407人(137人)です。JR九州は今回完成したYC1系と821系を使って量産化に向けた試験を実施。2019年度内の営業運転開始を目指すとしています。

【了】

この記事の画像をもっと見る(163枚)

Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

3件のコメント

  1. 新技術っていうからなにかなと思ったら「JR九州としては」ですか…紛らわしい。

    しかしこのごちゃごちゃしたフロントマスク何とかならないものですかね。大陸の方には好かれそうですけども(-﹏-。)

    • 虚飾の多さは相変わらずだが、
      今までの車両と違って今回のはなんか『格好悪い』。

  2. なんでもいいけど、電車の方の見るからに掛け心地底辺な座席はマジで何とかしろよ。

    みてくれ重視じゃなく、快適性を優先してくれ。