【空から撮った鉄道】終焉の時迫る、箱根登山鉄道の「古豪」たち(写真10枚)

関東の人にとって身近な存在である箱根登山鉄道には、モハ1形とモハ2形電車が走っています。これらの車両は戦後の箱根登山鉄道を支えてきたシンボル的な存在でしたが、いよいよ終焉(しゅうえん)の時が迫ってきました。

「アレグラ号」の増備で引退の運命に

 関東有数の温泉地箱根は、いにしえより東西交通の要でありました。箱根の山は「天下の剣」と称されるほど、幾重にも山々が連なっています。

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「出山の鉄橋」と親しまれている早川橋梁に差し掛かるモハ2形108号。(2014年1月17日、吉永陽一撮影)。

 1919(大正8)年、箱根湯本から強羅を目指して箱根登山鉄道が開通しました。そのときに走り始めたチキ1形と1927(昭和2)年に登場したチキ2形は、戦後にそれぞれモハ1形とモハ2形に改称し、車体や走行装置などを載せ替えて現在も6両が現役で走っています。

 正面三枚窓、ウィンドシル・ウィンドヘッダーが窓枠に巻かれた車体は貫禄十分で、古豪のたたずまいさえ感じさせます。昭和50年代後半に1000形が誕生するまでは唯一の形式であり、箱根登山鉄道といえばこの車両が思い浮かべられるほど、シンボル的な存在でもあります。

 しかし、チキ形から車歴を辿ればそろそろ100年は経とうとするモハ1形、そしてモハ2形もそろそろ引退の時期がやってきました。小田急グループが2018年8月に発表したところによると、新型の3000、3100形電車「アレグラ号」を引き続き導入し、2019年度中にはモハ1形の103+107号の編成が廃車となり、残された車両も順次引退していくとのことです。

撮影は決まって秋と冬

 幸いなことに、10年くらい前から定期的に静岡へ空撮をしていて、その帰りにちょっと寄り道して箱根登山鉄道を空撮していました。寄り道といっても、静岡から調布へ戻るのには箱根を通るのが近道なので、その途中で撮影をしていたというわけです。

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モハ2形のモハ109号が箱根登山鉄道の車両基地、入生田検車区にたたずむ。(2018年11月16日、吉永陽一撮影)。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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