部屋の広さは日本一!? 北海道行き“長距離フェリー”がまるでリゾートホテル 豪華16時間20分の旅

日本の長距離フェリーで、最も客室面積が広いのは、太平洋フェリー「きそ」「いしかり」のロイヤルスイートです。「きそ」は2005年に就航した船ですが、2025年現在もトップクラスの豪華船。就航20年を機に乗船してみました。

「リゾートホテルのような豪華船」

 太平洋フェリーは、国内有数の長距離フェリーです。名古屋港~仙台港~苫小牧西港1330kmを約40時間かけて運航しており、豪華なサービスでも知られています。保有するフェリー3隻のうち、今回は大型の「きそ」に乗船します。2005(平成17)年に就航。この名前を持つフェリーとしては2代目です。

Large 20250816 01

拡大画像

太平洋フェリー「きそ」(安藤昌季撮影)

 仙台港19時発・苫小牧西港行きに乗船します。出発する仙台港フェリーターミナルは、JR仙台駅から連絡バスが運行されており便利です。17時46分の時点で、ターミナルには127人の乗船客が待っています。中には子どもの姿も見られました。

 仙台港に停泊している「きそ」を眺めます。総トン数1万5795t、全長199.9m、最大速力26.73ノット(49.5km/h)で、外から見ても迫力があります。旅客定員768人、トラック183台、乗用車113台を搭載できる大型フェリーです。

 18時15分乗船開始。デビューから20年がたちますが、エントランスの豪華さには感心します。

 コンセプトは「南太平洋のしらべ」、デザインは「リゾートホテルのように優雅で洗練された豪華船」とウェブサイトにありますが、決して過大表現ではありません。現役大型フェリーでもトップクラスのゴージャスで重厚な雰囲気です。エントランスのある5階はショップ、ゲームコーナー、キッズルーム、カラオケスタジオ、展望大浴場、喫煙室、自販機スペースがあります。

 客室は、2等和室、B寝台、S寝台、1等客室(バリアフリー対応洋室/和洋室/和室)が備わります。

 2等和室は開放型のカーペット敷き。B寝台は長さ2m、幅80cm、高さ77cmの区画がロールカーテンで仕切られており、電源コンセントも備わります。S寝台も同様の設備ですが、テレビが付きます。

 1等客室はシャワー、トイレ、冷蔵庫を備えた個室で、定員は和洋室が3人、和室が3~4人です。広さはいずれも17平方メートル。和洋室はベッド、和室は布団です。

 6階に上がります。スタンドコーナー「マーメイドクラブ」と、シアターラウンジ「サザンクロス」、レストラン「タヒチ」が配置されています。

 スタンドコーナーにはピアノも置かれており、その日は音楽家が演奏していました。なお、軽食を提供するカウンターも備わります。シアターラウンジは、筆者(安藤昌季:乗りものライター)の乗船時は夜に音楽イベント、朝に映画上映が行われていました。

 レストランは、リゾートホテルのような内装です。料理はバイキング形式で、筆者の乗船時は和食中心のメニューでした。どちらかと言えば大人向けで、カレーやハンバーグのような子ども向けメニューは少ない印象。内容は季節によって変わるようですが、スタンドコーナーで子どもにカレーを食べさせていた家族が何組かいた理由を理解できました。

【超豪華!】「きそ」の船内と客室をたっぷり見る(写真)

最新記事

コメント