関越道きょう渋滞「最大40km」 でも先頭地点がちょっと違う? 変化した渋滞名所「高坂」
関越自動車道における“最大のボトルネック”とも呼ばれていた「高坂SA」付近の区間。ただ、ここのところ渋滞情報などでその名を聞きません。何が起こっているのでしょうか。
変化した「高坂渋滞」
全国各地には、お盆をはじめレジャーや帰省のシーズンになると、交通が集中して数十キロにおよぶ大渋滞が発生する“名物スポット”が存在します。関越自動車道の「高坂SA」もそのひとつ。ここは上下線とも長い渋滞の先頭区間となり、ラジオの渋滞情報などでよく聞かれる名前です。

高坂SA付近での渋滞の原因は、下り勾配から上り勾配へ変わる「サグ」という箇所。サグがあると、走行中に知らず知らずのうちに速度が落ちてしまうため、渋滞が発生しやすい傾向があります。そのため高坂SA付近では、土休日の午前を中心に下り線が、午後を中心に上り線が渋滞しがちな状態でした。
このようなサグに起因する渋滞ポイントは関越道に点在していますが、NEXCO東日本は、渋滞しやすいサグ区間にのみ「付加車線」として車線を増設し、交通容量を増大する渋滞対策を進めてきました。
2025年3月には高坂SAの前後、坂戸西スマートICから東松山ICにかけての区間で、SA入口ランプに通じる下り線0.5km、上り線2.2kmにわたる付加車線が開通。該当区間は片側3車線から4車線へと拡幅されました。
この結果、「高坂SAを先頭に」という情報が、上り線についてはあまり聞かれなくなりました。代わりに聞くようになったのが、「坂戸西スマートIC付近を先頭に」という言葉。つまり、上り線の場合は高坂SAより下流側へ、渋滞の先頭が移ったということです。きょう2025年8月16日(土)も、上り線は「坂戸西スマートIC付近を先頭に」、最大40kmもの渋滞が予測されています。
これは、「渋滞の先送り現象」と呼ばれるもので、交通容量が低下していたポイントを改修した結果、次に容量が低かったポイントへと負荷が集中、新たな渋滞ポイントとなってしまう現象です。上り線の高坂SA付近では、付加車線が始まると一時的に流れがよくなるものの、付加車線が終わると流れが停滞。再び付加車線が始まる坂戸西スマートICを抜けて初めて本格的に流れ出すようになっています。
NEXCO東日本は現在、この付加車線の“欠損部”をつなげる工事も進めています。付加車線が連続化されると渋滞の緩和が期待されます。
ほかにも関越道には多数のボトルネック部が存在しましたが、付加車線の設置など、各地点で対策が進められた結果、渋滞状況は以前と比べてかなり緩和されました。坂戸西-高坂SA間の付加車線工事では跨道橋が支障していましたが、すでに移設され、代替の跨道橋の橋桁も架かっており、完成はそう遠くないと思われます。
「坂戸西スマートIC付近を先頭に」という渋滞情報も、付加車線を連続化させるまでの“一時的なもの”となるかもしれません。
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