諸元表「JR東日本E956形新幹線電車『ALFA-X』」

JR東日本が次世代新幹線の開発を進めるために投入した試験車両、E956形新幹線電車「ALFA-X」が完成。最高速度360km/hの営業運転を目指し、そのための車体構造や技術の比較検証などを行います。おもな諸元を紹介します。

先頭車両のデザインは2種類

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新青森方の10号車を先頭としたE956形「ALFA-X」(2019年5月、草町義和撮影)。

 JR東日本が次世代新幹線の開発を進めるため、試験車両のE956形新幹線電車「ALFA-X(アルファエックス)」を導入。先頭形状は東京方が約16m、新青森方が約22mの2種類あり、トンネル突入時の圧力波の抑制で比較検証を行います。2019年5月から2022年3月にかけて仙台~新青森間を中心に360km/hまでの走行試験を行うほか、最高速度400km/hの走行も数回程度実施する予定です。

主要諸元(JR東日本E956形新幹線電車「ALFA-X」)

■号車 形式(車種)

1 E956-1(M1c)

2 E956-2(M2)

3 E956-3(M1)

4 E956-4(M2)

5 E956-5(M1)

6 E956-6(M2)

7 E956-7(M1)

8 E956-8(M2s)

9 E956-9(M2s)

10 E956-10(M1c)

※E956-1=東京方

※E956-10=新青森方

■重量

平均軸重12.3tf、最大13.1tf

■最高運転速度

360km/h(※試験として一時的に400km/h)

■車両主要寸法

車体長24500mm(先頭車26250mm)×車体幅3350mm×車体高3700mm

■車体

○車体構造

アルミ合金製 気密車体

○先頭形状

約16m(E956-1)、約22m(E956-10)

■台車

○方式

空気ばね式車体傾斜機構付ボルスタレス方式、地震対策左右動ダンパ、

地震対策クラッシャブルストッパ付

○主要寸法

車輪径:860mm、軸距:2500mm(台車間距離:17500mm)

○軸箱支持方式

支持板方式(E956-1~E956-4、E956-9、E956-10)

軸はり方式(E956-5、E956-6)

改良ウィング式(E956-7、E956-8)

■主回路

○電気方式

交流50Hz 25000V

○集電装置

シングルアーム式低騒音パンタグラフ

○主回路方式

コンバータ/インバータ方式(台車制御)

○制御方式

VVVFインバータ制御方式

■ブレーキ

○ブレーキ方式

回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重制御付)

○基礎ブレーキ

低騒音車輪ディスクブレーキ(中央締結式)、

空圧式キャリパ+等圧構造ブレーキライニング

○空気圧縮機

オイルレススクロール式(E956-1~E956-6)

油冷スクリュー式(E956-7~E956-10)

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東京方先頭車で1号車のE956-1。先頭形状の長さは約16mでE5系より少し長い(2019年5月、草町義和撮影)。

■空調装置

冷房 37.21kW×2台/両(先頭車のみ1台/両)

暖房 21kW以上×2台/両(先頭車のみ1台/両)

■汚物処理装置

清水空圧式(E956-1、E956-9)

真空式(E956-5)

■分割併合機能

準備工事

■保安装置

ATC(DS-ATC)、無線ATC

■列車無線

LCX無線+構内防護無線

■その他機器

動揺防止制御装置、車体傾斜制御装置(最大車体傾斜角度2°)、上下制振装置(一部)

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8号車のE956-8は「グランクラス」の設定で、車内をふたつに分けて客室環境を比較評価する(2019年5月、草町義和撮影)。

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