タクシーの自動ドア「おもてなし」だけが理由じゃなかった 実は「事故」が大きな要因

乗降時にドアが自動で開く日本のタクシー。世界では乗客が開けるのが一般的ですが、なぜ日本では自動ドアなのでしょうか。東京オリンピック時の「おもてなし」がきっかけとも言われますが、実はそれ以外の理由も大きそうです。

「東京オリンピック」を契機に普及したとされるが…

 一般的な日本のタクシーは乗降時、左後方のドアが自動で開きます。運転手が手元のスイッチやレバーで操作しているのですが、東京ハイヤー・タクシー協会によると、これは「外国ではまず見ないサービス」だそうです。

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個人タクシーの左後方に貼られた、自動ドアであることを示すステッカー(2019年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

「外国のお客様は、ご自身でドアを開けるものと思っておられるケースが多いのか、自動で開くドアに驚かれますね」(東京ハイヤー・タクシー協会)

 タクシーの自動ドアは、前回の「東京オリンピック」(1964年)のころに、来日する多数の外国人へ向けたサービスとして普及したといわれますが、理由はそれだけではないようです。タクシー用自動ドアシステムを製造するトーシンテック(愛知県大口町)は、次のように話します。

「前回オリンピックのころに広まったのは事実ですが、最初は実務的な面で普及しました。昔のタクシーでは、運転手さんがクルマから降りてお客様のためにドアを手で開ける『ドアサービス』が行われていましたが、それによる事故も起こっていました。また、ドアサービスをするにも安全確認が必要なため、運転手さんは即座に降りられるわけではありません。そうしたなか、運転席から自動でお客様のドアを開けられると、安全で、乗降時間の短縮にもつながるのです。あと、もうひとつの要因として、やはり物珍しさも挙げられるでしょう」(トーシンテック)

 また運転手だけでなく、乗客の事故を防ぐ側面もあるといいます。「運転手がするもの」であるため、乗客が安全確認を十分にしないままドアを開けたり、車道側のドアを開けたりすることが防げるというわけです。

 ちなみに、海外において自動ドアを備えたタクシーは、トーシンテックが過去に販売していた香港で一部走っている程度で、ほぼ日本独特のものだといいます。

【了】

【写真】最新式「ジャパンタクシー」自動ドアの開け方

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