「横断歩道クルマ停まらない問題」歩行者教育も要改革か 脱ワーストの栃木県警に聞く

「歩行者優先」を歩行者が知らない問題 言われてみれば確かに…

 栃木県警交通企画課によると、今後は歩行者への広報も必要だといいます。

――キャンペーンなどを通じ、県民の意識はどう変わりましたか?

 最初は、信号機のない横断歩道で一時停止しなければならないことを知らなかった、というドライバーも見られましたが、現在は「止まってくれるクルマが増えた」という意見もいただいています。一方、このようなケースで「クルマは止まるものだ」ということを知らなかった歩行者も少なくありません。信号機のない横断歩道でも「クルマが行ってから渡ればいい」と考え、ドライバーから見て歩道の奥のほうで車列が途切れるのを待つため、渡る意思がわかりにくいというケースも見られます。

――歩行者優先を浸透させるために、何が必要でしょうか?

 歩行者もクルマのことを考えて、横断歩道を渡る際に合図をする、といったことが有効と考えています。ちょっとした身振りやアイコンタクトなど、何らかのアピール方法があるはずです。譲ってもらった際にお礼をするなど、お互いに道路を気持ちよく使えるよう、広報していきたいと思います。

 また、従来の交通安全教育では、左右の安全を確認して「クルマが来なかったら渡ろう」と教わってきたと思います。そうではなく「クルマは本来、止まらなければならない」こと、「なかには止まらないクルマもあるので気を付けて渡ろう」という教育をしていく必要があるかもしれません。

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栃木県警が2018年調査の結果を受けて作成したチラシ(画像:栃木県警)。

 栃木県警は当面の目標として、一時停止率を全国平均値(17.1%)まで向上させるとしています。

 なお今回のJAFの調査は、2019年8月15日から29日のうち、月曜日から金曜日の平日10時から16時のあいだに実施。各都道府県で2か所ずつ、信号機が設置されていない横断歩道を一定の条件でピックアップし、JAF職員が実際に横断して、接近する車両が一時停止するか否かを調べたものです。

【了】

【表】都道府県別「一時停止率」最新ランキング

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コメント

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1件のコメント

  1.  なかなか止まってくれないんだよね。相手が高齢者だろうが小中学生や幼児でも同じ事。
    例え警察署最寄りだって学校最寄りだって、駅前だって止まらない。だからいったん止まると歩行者の多い横断歩道は「(車が)止まっている今のうちに」とゾロゾロ渡るから今度は車が動けない。お互いに譲り合えばいいのにと思うが、お互い譲る心なんか持っちゃいないのが今の日本。車は止まろう。歩行者も止まろう。自転車も止まろう。2秒の停止が命を救うのだ。