生産一時停止の「ボーイング737MAX」どんな飛行機で何が問題なのか 従来737との違いは
ボーイングの新鋭機である737MAX型機が生産を停止しました。日本でもなじみ深い737シリーズの最新モデルですが、これまでのものと何が違い、そして何がこのような問題を引き起こしたのでしょうか。
ボーイング737シリーズの最新モデル
ボーイングが2019年12月16日(月、現地時間)、同社の新鋭機ボーイング737MAX型機の生産を2020年1月から一時停止すると発表しました。関係当局の承認を得ることができなかったためとしており、再開の予定は現在のところ未定とされています。
ボーイング737MAXは、ボーイング737シリーズの最新モデルです。737シリーズの累計生産機数は1万機を超えるとされており、これは現在のところ旅客機としては世界一です。日本の航空会社でも737シリーズはなじみ深く、JAL(日本航空)やANA(全日空)、スカイマークなどが導入しています。
初期モデルである737-100型機が、1967(昭和42)年に初飛行して以来、基本設計が踏襲され続けているボーイング737シリーズですが、大まかに4つの世代に分けることができます。細長いエンジンを採用していた第1世代(737-100、-200)に対し、第2世代(737-300、-400、-500)は大きな直径のエンジンを採用します。「ネクストジェネレーション」と呼ばれる第3世代(737-600、-700、-800、-900)は、コクピットの大幅なデジタル化と、主翼の設計変更などを行っています。
ボーイング737MAX(737-MAX8、-MAX9、-MAX10)は、このシリーズの第4世代にあたります。第3世代と比べても低燃費で低騒音のエンジンを採用し、コクピットも設計を見直され、同社の主力機ボーイング787と同じスタイルのものを導入します。外観の特徴は、ボーイング787と同じく騒音を下げるためにエンジン後部に刻まれたギザギザ「シェブロンノズル」です。
しかし、このエンジンの採用に伴う機体の設計変更が、続けざまに起こった2度の墜落事故をはじめとする、同シリーズの問題の引き金となってしまいます。
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