生産一時停止の「ボーイング737MAX」どんな飛行機で何が問題なのか 従来737との違いは

エンジン変更がなぜ事故原因に?

 ボーイング737シリーズは、第2世代から直径の大きなエンジンを採用していますが、胴体の高さは低く保ったままです。このため、エンジン下部が平らになっている「おにぎり型」の形をとり、位置を機首側に突き出すことで、高さを稼ぐ構造を採用するなどの工夫をしています。

 737MAXに搭載されている新エンジン(CFMインターナショナル社製のLEAP-X)は、従来の第3世代で採用されてきたものより、さらに20cm程度大きな直径を持ちます。これに対応すべくエンジンの位置をさらに機首側に、より上へと変更します。このことで、これまでより機首が上向きになりやすい特性が生じました。

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ボーイング737-MAXのコクピットシミュレーター(2019年7月、乗りものニュース編集部撮影)。

 この従来機とのズレを是正し、コントロールしやすくするために採用されたのが、先述の2度の墜落事故における要因と推定されている「自動失速防止システム(NCAS)」です。

 自動失速防止システムは、一定の条件下で水平尾翼を「自動」でコントロールし、機体を降下させ、失速を防ぐものです。システムを起動させるかどうかは、機首部分に設置されている迎え角センサーが判断します。

 2度の墜落事故は、このセンサーにより機首が上がりすぎていると誤判断されたことが原因といわれています。また自動失速防止システムの遮断方法は、パイロットには知らされていなかったとも。こうなると、パイロットは機首を上げたくても、コンピューターが機首を下げ続け、対処できない事態におちいってしまいます。

【写真】同スタイルのコクピット ボーイング787型機と見比べ

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