深刻化する「引っ越し難民」問題 繁忙期のお断り増加&高額化 利用者ができる対策は?
新生活を控えた3月から4月に、引っ越しをしたくてもできないという人が増えています。引っ越し会社が人手不足で依頼を受けられず、料金も高額化せざるを得ない状況です。「引っ越し難民」問題、ますます深刻化しています。
「引っ越し難民」2020年はどうなのか?
3月から4月の引っ越し繁忙期に依頼を断られたり、高額な料金を提示されたりして、あきらめざるを得ないという人が近年増加し、2018年ごろからは「引っ越し難民」なる言葉も広く使われ始めました。国土交通省や各地のトラック協会などもここ数年、引っ越し時期をずらし繁忙期を避けるよう、広く呼び掛けています。
ウェブサイト「引越しラクっとNAVI」や「ハコプラ」などを運営するリベロ(東京都港区)によると、2019年の繁忙期においては、約7割の事業者が20%以上の依頼を断っているそうです。深刻化する「引っ越し難民」問題の原因を、同社は次のように説明します。
「引っ越し会社さんは宅配業を兼務していることも多く、通販の宅配件数の増加で宅配に転業するケースも目立っています。さらに『働き方改革』の影響で残業が難しくなり、1日に請負う件数が以前よりも減少しているうえ、若年層の運転免許取得率が低下しドライバー不足も深刻化しており、稼働できるトラックも減っているのです」(リベロ)
特に引き受けが難しく高額になりがちなのが、単身ではなく「家族」かつ「長距離」の引っ越しで、これは数日間にわたり車両と要員が拘束されるためです。引っ越し比較サイトを運営するエイチーム引っ越し侍(名古屋市中区)によると、2019年3月には、6人家族で熊本県から千葉県へ、2人家族で栃木県から島根県への引っ越しで、それぞれ料金が100万円という事例もあるとのこと。通常期の相場はそれぞれ21万円、15万円ほどだといいます。
2019年と比べ、2020年はどうでしょうか。リベロによると、「問い合わせ時期は多少早まる傾向にありますが、入学式などの暦や企業の人事制度を変えるには至らず、ピーク時期についても大きな変化は見られません」といいます。
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