【空から撮った鉄道】ちょっと前の尾久車両基地群 E1系や「北斗星」… いまとなっては懐かしの車両たち

東京都北区、JR田端駅の北側には広大な車両基地群と運転所があります。その名は「尾久車両センター」「東京新幹線総合車両センター」「田端運転所」。ここは幾度となく空撮していますが、今回は撮り始めた2011年と2012年の写真を紹介します。

都内に構える巨大な車両基地群 8~9年前の姿

 田端駅(東京都北区)の北側、尾久の一帯にドドンと構える「尾久車両センター」「東京新幹線総合車両センター」「田端運転所」の車両基地群は、品川の「田町車両センター」無きいま、都内で唯一広大な敷地を有する基地といってもいいでしょう。これらの施設の合わせた広さは、直線にして約2km、幅は約400m。尾久車両センターと東京新幹線総合車両センターとの間には住宅地が挟まり、空から見るとそれぞれの基地の線路が膨らみながら並んでいて、大きな胃袋がふたつ並んでいるかのようです。

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北側から撮影した尾久の車両基地群。左下に見えるのが東北本線の尾久駅で、右側に向かって尾久車両センター、田端運転所、東京新幹線総合車両センターと続く。この写真が初著『空鉄 鉄道鳥瞰物語』の表紙となった(2011年3月17日、吉永陽一撮影)。

 尾久に車両基地が出来たのは戦前まで遡り、昭和一桁時代には上野駅発着列車の客車を担った「尾久客車操車場」と、常磐線・東北本線方面の機関車や貨車を担った「田端操駅」「田端機関区」がありました。田端操駅の一部は1985(昭和60)年に東北・上越新幹線の基地へと変わり、田端機関区はJR東日本となってから「田端運転所」へと名称が変更されました。また、田端操駅も「田端操車場」となり、いったん田端操駅に戻るも、2011(平成23)年に「田端信号場」に改称されています。

 尾久一帯は、街のなかに車両基地がある……いや、車両基地のなかに街がある?……。街と車両基地が隣接していて、とにかく距離感が近いです。10年ほど前、取材で車両基地に隣接する街の人の声を集めていたとき、お爺さんが「お召し列車がいるんだよ。屋根に登ると見える」と、嬉々としながら話してくれたのが印象に残っています。住む人と休む列車との距離が近いのを感じました。

 その取材があったのもあって、尾久車両基地群の存在は常々気になっています。周囲の街と列車、とくに新幹線と機関車を一緒に絡められるのは楽しく、何度空撮しても飽きません。手前に在来線の車両を入れ、住宅を絡めながら新幹線も撮るということも出来ます。9年間空撮していて、その間に車両はどんどんと変化していきました。その過程を追っていくのも楽しいです。ただ、膨大な量になるため、今回は初っ端の空撮を紹介します。2011年と2012(平成24)年です。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

 
    
 
    

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