左手が劇的にラクになる! バイクの神装備「クイックシフター」の仕組み 逆に「MTの楽しさ」を奪うのか?

バイクの左手操作を支援する「クイックシフター」の採用が見られます。レースの世界からツーリングへと普及したこの技術は、単なる手抜き機能なのか、それとも走りを進化させるツールなのかを見ていきます。

トルク制御が生む滑らかな変速。レースの世界から届いた「魔法」

 近年発売されるオートバイの新モデルでは、標準装備もしくはオプションとして「クイックシフター」が採用される例が多くなっています。これは、一定の条件下でシフトアップ/ダウン時の変速を電子制御し、走行中のクラッチ操作を省けるようにするためのライダー支援装置です。

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「アシスト&スリッパークラッチ」を採用するホンダ「CBR650R」(画像:ホンダ)

 「クラッチを切らずにギアを変えたら壊れるのでは?」と不安に思う人もいるかもしれませんが、高性能な電子制御が介入することで、ミッションにダメージを与えないようになっています。

 システムを簡単に説明すると、ライダーがシフトペダルを動かそうとした瞬間、センサーがその動きを感知します。するとECU(エンジン制御ユニット)が点火などを電子制御してエンジンの出力を一瞬だけ抑え、ミッションにかかる駆動トルクを抜きます。これによって、クラッチを切らなくてもギアが滑らかに切り替わる仕組みです。

 この技術のルーツは、四輪レースの世界にあります。フェラーリが1989年に投入したF1マシン「640」において、従来のマニュアルではなくセミオートマチックのシーケンシャルギアボックスを搭載し、ステアリングのパドルで変速する方式が採用されました。

 こうした、レース用途で磨かれた“素早い変速”の考え方が、二輪の市販車にも反映されるようになったといえるでしょう。なお、クイックシフター搭載車であっても、発進や停止の際には通常どおりクラッチレバーの操作が必要です。

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