【空から撮った鉄道】平日でも出会える蒸気機関車「SLかわね路号」 開けっ放しの窓から思い出す幼少の頃

静岡県中部にある大井川鐵道は、大井川の上流を目指しながら沿っていく私鉄です。いまから44年前にC11形蒸気機関車が運行開始。全国でも唯一、毎日のように蒸気機関車が走ります。今回は2012年と2017年の平日に撮影した写真を紹介いたします。

静岡県内で撮影後、管制区域を避けて現地入り

 はじめに、今年は新型コロナウイルスによって、全国の鉄道は大打撃を受けています。大井川鐵道も看板となる蒸気機関車列車「SLかわね路号」の運休だけでなく、普通列車の多くが運休という状況になりました。6月13日より普通列車は通常運行開始となり、「SLかわね路号」も6月20日の運行再開を目指して調整中とのことです。

 さて今回のお話は、「SLかわね路号」です。大井川鐵道の蒸気機関車は1976(昭和51)年に国鉄からやってきたC11形蒸気機関車が運行を開始したのを皮切りに、現在はC10形8号機、C11形190号機、C11形227号機、C56形44号機の4両が運行しています。蒸気機関車は平日、土・休・祝日関係なく年間300日も運行し、ふらっと平日に行っても、ほとんどの確率で蒸気機関車に出会えるのが嬉しいですね。

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大井川にほど近い場所に位置する新金谷駅。駅構内には多くの旧型客車が留置され、左手にはC11形190号機が入換作業中。右手には新金谷車両区が見え、大井川方面に向けて構外側線(通称:大代川側線)が伸びている(2012年9月5日、吉永陽一撮影)。

 大井川鐵道の空撮は、2012(平成24)年から数回実施しています。他の業務とあわせて飛んだため、9月~翌年2月の平日撮影でしたが、蒸気機関車の運転日を見るとだいたい毎日運行しているので、予定が組みやすく助かります。「いつでも蒸気機関車に会えるのは、上空からでも同じかぁ」と、1人で感心しました(笑)。

 ところで、大井川鐵道は静岡県中部に位置しています。空撮用のセスナ機がある東京方面と名古屋方面からは微妙に遠く、遠征という感です。現地と空港はまっすぐ行こうと思えば行けるのですが、箱根、富士山、南アルプスと名だたる名峰が聳えており、若干迂回しながら高い高度で飛行することになります。大井川鐵道撮影後の帰り道は、たいてい高高度で帰りました。

 行きはと言うと、静岡県内の撮影が終了してからなので、例えば静岡市内中心部だと安倍川を越えて西へ向かい、藤枝市と島田市の北側、すなわち新東名高速道路付近の山間部を越えて現地入りします。すると、家山駅付近に到達するのです。あるいは、新東名の南側を通って新金谷駅へ向かうこともあります。ただし、焼津市内には航空自衛隊静浜基地が、新金谷駅付近には富士山静岡空港があるので、管制区域などを避けて飛行することになります。

 2012年の撮影場所は新金谷駅のみでした。現地に到達するとちょうど午前11時台に発車する「SLかわね路号」の準備をしており、C11形190号機が構内を単機で行き来して客車に連結しています。構内にいるのは旧型客車ばかりで、このシーンだけでも1970年代までの国鉄駅の情景を彷彿とさせます。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

 
    
 
    

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