やられる前に叩くはアリなの? 総理も明言した敵基地攻撃能力 「専守防衛」との関係は

軍事技術の進展にともない、敵基地攻撃能力に関する議論がより現実味を帯びて取りざたされるようになりました。戦後の日本および自衛隊を象徴する「専守防衛」の考え方も、実は時代と共に変化してきています。

よく目にする「専守防衛」との関係は?

 敵基地攻撃能力に関する話題では、必ずといってよいほど言及されるのが「専守防衛」という言葉です。

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航空自衛隊が導入する空対地ミサイル「JASSM」は敵の基地を攻撃することも可能。写真はその射程延長型、JASSM-ER(画像:アメリカ軍)。

 もともとは1960年代末に日本の国会議論で登場した言葉で、『防衛白書』によると、その定義は「相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいう」とされています。

 この専守防衛がなぜ、敵基地攻撃能力との関係で問題なってくるかというと、そもそもこの専守防衛の下では、敵基地攻撃能力の保有は許されていなかったためです。1972(昭和47)年10月31日、当時の田中角栄総理は国会で「専守防衛ないし専守防御というのは、防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく、もっぱらわが国土およびその周辺において防衛を行なうということ」と答弁しています。

 一方で、専守防衛の内容は時代によって変化してきたことも事実です。たとえば、2003(平成15)年7月15日、当時の小泉純一郎内閣は、政府が1956(昭和31)年以来、一貫して主張している、ほかに適当な手段がない場合に敵基地を攻撃することは合憲という見解と、専守防衛の考えとが「矛盾するとは考えていない」との見解を明らかにしています。

 それでも日本政府は、やはり敵基地攻撃能力の保有には慎重な姿勢をとり続け、そうした能力は基本的にはアメリカ軍に依存し続けてきましたが、しかし、昨今の北朝鮮や中国の脅威を考えれば、こうした考え方は変更を余儀なくされているといえるかもしれません。

参考資料:有江 浩一、山口 尚彦「米国における IAMD(統合防空ミサイル防衛)に関する取組み」防衛省防衛研究所『防衛研究所紀要』第20巻1号(2017年12月)

【了】

【写真】旧式化して久しいが…北朝鮮も多数配備「スカッド」ミサイル

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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コメント

4件のコメント

  1. 新顔のライターだな。もうこうなったら乗りものの話でもなんでもないが、敵基地先制攻撃能力を例え持っていても、それを額面通り行使して果して国際社会の理解を得ることができるだろうか?多少の犠牲はあってもこちらからは手を出してはならないのではないだろうか?

    • 記者の名前の所をクリックする簡単な作業すらできんの?

  2. もはや乗り物ニュースですらない…

    敵基地攻撃能力より金かけることあるだろw

    自衛官とかの待遇とかさ…

    そもそもまともに維持出来るか分からない高価な装備品ばっかり買って悦に浸ってるんじゃないよwwwwwwww

  3. いずれは戦闘機や艦船は野砲や機関銃が普及した後の騎兵のようになり

    先進国同士の戦争は本土間のミサイルの撃ち合いになるかも(?_?)

    戦争=敵地攻撃の時代が来る前に日本人の意識は変わるんですかね(゜-゜)

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