配管詰まったらかなりマズイ「飛行機トイレ」 どんな対策をしているのか見てきた
長距離飛行で「トイレ使えません」と言われたら青ざめますもんね。
飛行機のトイレのシステムはどうなっているのでしょうか。
JAL(日本航空)によると、近年の飛行機は、気圧の差を使って吸引される「バキューム式」のもので、流された排泄物は配管を流れ、ウエストタンクと呼ばれるひとつのタンクに集約されるシステムが主流とのこと。
かつて運航されていた「クラシックジャンボ」ことボーイング747型機などは、それぞれのトイレの下にタンクがあったそうですが、1990(平成2)年導入の「ハイテクジャンボ」ことボーイング747-400型機からは、最終的に一か所に集められる形態がとられているそうです。
この形態がとられた理由は、おもに整備性の向上といいます。ボーイング747シリーズの場合トイレは13か所で、かつてはタンクごとに整備を要しましたが、現行の形式になってからはそれが1回で済むようになりました。また差圧を使うことで流す力が安定することや、ニオイの軽減など利用者にとってのプラスもあるようです。
ただ、この集中トイレ方式も「弱点」がひとつあるといいます。ひとつのトイレの配管が詰まってしまうと、同じの配管を使っている別のトイレまで使用不可になってしまうそうです。
そのためJAL機では「非常に強力な溶剤」を使って定期的に配管を洗浄しています。2時間から3時間かけて漬け込みと循環を行うと、配管はピカピカになるといいます。こうすることで、上空で起きると地上より深刻となりうる「配管詰まり」のトラブルを未然に防いでいるそうです。
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こうしたオーバー・ホールの間の定期点検でも、ハニービー60と言う’薬品と、一角12ミリ以下の氷を各トイレから流して、配管の汚れをなるべく防ぐ整備も行われている。