片側5車線「右折/右折/右折/右折/直進左」なぜ? 皇居の初見殺し交差点
片側5車線のうち、実に4車線が右折車線という交差点があります。手前までは3車線で、真ん中の車線を走っていたとしても、直進するには急いで車線変更をしなければならないポイント、なぜできたのでしょうか。
皇居の罠? とにかく直進が阻まれる祝田橋交差点の前後
片側5車線のうち4車線を右折車線が占めるという交差点が、東京のど真ん中にあります。皇居の内堀に沿う内堀通りと、東西方向の晴海通りが交わる千代田区の祝田橋(いわいだばし)交差点です。
内堀通りの北から交差点に近づくと、片側3車線から「直進・左折/右折/右折/右折/右折」の5レーンに広がります。事前に真ん中のレーンを走っていても直進できない構造のため、あわてて左端のレーンへ車線変更するクルマも見られます。
なぜこのような車線運用になったか、警視庁ですら経緯はわからないといいます。この交差点が5車線運用になったのは1970(昭和45)年12月だそうですが、レーンごとの進行方向が指定された時期は定かではないとのこと。
では、4車線を使って右折需要に対応した先には、何があるのでしょうか。
ここを右折してしばらく進むと、国会議事堂の正面に突き当たります。その間、五反田、川崎方面へ通じる桜田通り(国道1号)や、六本木、渋谷方面へ通じる六本木通りがそれぞれ分岐、内堀沿いに進めば、すぐに青山通り、新宿通りも分岐していきます。つまり、各方面へ延びる主要道路の根本にあたる区間といえるでしょう。
話を祝田橋交差点に戻すと、実はこの交差点、南(新橋方面)から北(大手町方面)へ直進する場合にも注意が必要です。交差点の直進用2レーンを進むと、約300m先にある二重橋前交差点までのあいだに、2レーンとも右折レーンに変わります。内堀通りをまっすぐ北上するには車線変更が必須ですが、祝田橋交差点を出てすぐと、二重橋前交差点の手前は車線変更禁止なので、そのチャンスはわずかしかありません。
ちなみに二重橋前交差点を右折すると、東京駅方面に通じています。東京駅方面から祝田橋交差点の「右折4車線」を経て、郊外の各方面へ向かうタクシーなども、非常に多く見られます。
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