トーヨータイヤが小型EVトラック専用タイヤ「NANOENERGY M151 EV」を初披露! 物流業界の「課題」解決の糸口か〈PR〉

トーヨータイヤは「ジャパントラックショー2024」に初出展し、小型EVトラックの増加を見込んだ小型EVトラック専用タイヤ「NANOENERGY M151 EV」や、物流業界の問題解決に貢献するコンセプトタイヤなどを展示しました。

物流業界を取り巻く厳しい環境

 ここ数年、ネット通販の定着などで宅配便の需要や市場規模は増加の一途をたどっていますが、一方でドライバー不足や高年齢化は深刻な問題です。燃料費の高騰、激務化、2024年問題など、物流業界は大きな課題を抱えています。

 2024年5月9日〜5月11日にパシフィコ横浜(横浜市西区)にて開催された、日本最大のトラック関連の展示会「ジャパントラックショー2024」でも、大手トラックメーカー、架装メーカー、サプライヤー、ソフトウエア関連企業などが、問題解決を図るさまざまな提案を行っていました。

小型トラック市場のEV化に対応した「NANOENERGY M151 EV」

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小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV」(小林岳夫撮影)。

 その「ジャパントラックショー2024」に、国内大手のタイヤメーカーであるトーヨータイヤも出展し、高い技術と革新的なアイデアを活用した新開発のタイヤを各種、展示しました。

 世界最大のカスタムカーイベントである東京オートサロンでおなじみのトーヨータイヤですが、実は同ショーに出展するのはこれが初めてです。

 広いブース内には、三菱ふそう「eキャンター」、いすゞ「エルフ」、三菱ふそう「スーパーグレート」の3台が置かれ、それぞれに注目のタイヤが装着されていました。中でも一番の注目は、「eキャンター」に装着されていた小型EVトラック専用タイヤ「NANOENERGY M151 EV」で、2024年4月24日に発表されたばかりの新製品です。

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三菱ふそう「eキャンター」に小型EVトラック専用タイヤを装着(小林岳夫撮影)。

 物流業界ではCO2排出量削減も大きな課題として挙げられています。この問題に対し、運輸部門の約9割を占めるトラックの電気自動車(EV)化が推進されています。

 長距離輸送に向く大型トラックのEV化は航続距離が問題になりますが、拠点から個人宅への短距離輸送を担う小型トラックでは、都市部での走行距離は1日で50km〜80kmほどと言われており、EV化に向く市場と考えられます。

 国内トラックメーカー各社は、小型EVトラックの販売をスタートしており、環境を重視する物流企業を中心に、まとまった数での導入が進んでいます。

 トーヨータイヤが新たに開発した小型EVトラック専用タイヤ「M151 EV」は、今後ますます進むであろう、小型トラックのEVシフトを見据えた製品です。

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「耐摩耗性能とトラクション性能を高次元で両立し、環境にも配慮した小型EVトラック専用リブタイヤ」を商品コンセプトに掲げ開発された「NANOENERGY M151 EV」(小林岳夫撮影)。

 既存のタイヤでも小型EVトラックに装着することは可能ですが、EV専用タイヤを開発した理由について同社は、EVの特性が内燃機関のクルマと異なるためと言います。

 その特性とは「トルクが太く加速がよい」「回生ブレーキにより減速力が強い」「バッテリーを搭載するため車重が重い」といった、タイヤにとって高負荷のものばかり。「一回の充電で走れる距離が重要」「走行音が小さい」「構造が簡単」などの特性も無視できません。

 そこでトーヨータイヤでは「耐摩耗性能とトラクション性能を高次元で両立し、環境にも配慮した小型EVトラック専用リブタイヤ」を商品コンセプトに掲げ、「M151 EV」を開発しました。

「M151 EV」の特長は「耐摩耗性能」「トラクション性能」「低メンテナンス」「環境貢献」を考えられた商品であることです。耐摩耗性=「減りにくいタイヤ」と、トラクション性能=「路面をつかむタイヤ」の性能は相反するもの。

相反する性能を実現するために採用した「EV専用非対称パターン」

 この課題に対しトーヨータイヤが導き出した答えが、リブタイヤのリブパターンと、オールウェザータイヤのブロックパターンをひとつのトレッドに配置する「EV専用非対称パターン」でした。

 リブタイヤは耐摩耗性能・耐偏摩耗性能、省電費性能、低ノイズ、静粛性能に優れており、オールウェザータイヤは、トラクションとグリップ力に優れています。

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(左)「NANOENERGY M151 EV」(右)「NANOENERGY M951 EV」(小林岳夫撮影)。

 リブタイヤとオールウェザータイヤの性能を併せ持つ「M151 EV」のポテンシャルをさらに生かすため、トーヨータイヤではトラック特有のリアダブルタイヤの装着方法に着目し「EV専用非対称パターン」を採用。
 
 具体的には、フロントタイヤでは、旋回などで偏摩耗しやすい外側の摩耗を抑えるため外側に「リブパターン」を、ダブルで向かい合わせに装着するリアタイヤでは、両外側が「ブロックパターン」になります。これにより、2本のタイヤが1つの大きなタイヤになったかのような、しっかりとしたトラクションを路面に伝えることができます。

 耐摩耗性能が高くなれば、タイヤのロングライフ化・環境負荷の低減に貢献します。また、タイヤ交換やローテーション頻度が減ることで、低メンテナンス化にも寄与できます。

 さらに「M151 EV」では、小型EVトラックの使用シーンを考慮。小型トラックでは、市街地での使用時、縁石などにタイヤを当ててしまうことも珍しくありません。

 そこで、サイドウォールを保護する、EVに似合う未来的な新デザインのサイドプロテクターを採用しました。ほかにもトラック用タイヤでは珍しい「空力シミュレーション」によるサイドウォールのデザインが行われており、空力改善による電費の向上が見込まれています。

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小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV」のサイドウォール(小林岳夫撮影)。

 小型EVトラック専用リブタイヤとして優れた設計を誇る「M151 EV」は、6月1日に販売が開始されました。サイズは、215/70R17.5の1サイズ展開です。

 商用車用タイヤとなると、冬季用タイヤも欲しいところです。トーヨータイヤは、小型EVトラック専用スタッドレスタイヤももちろん用意しています。それが「NANOENERGY M951 EV」で、「ジャパントラックショー2024」が初披露の場となりました。

「M951 EV」は「M151 EV」から基本的なコンセプトを継承しながら、氷雪路でのトラクション性と耐摩耗性を両立したタイヤで、もちろん「M951 EV」も非対称パターンを採用。2024年秋ごろの販売開始がアナウンスされています。こちらも、サイズは215/70R17.5の1サイズで発売されます。

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小型EVトラック専用スタッドレスタイヤ「NANOENERGY M951 EV」(小林岳夫撮影)。

 夏タイヤとスタッドレスタイヤを同年で揃えて発売するトーヨータイヤの開発力やEV市場に向けたタイヤ開発に対する本気度が伝わってきます。

リブタイヤの新製品と、低メンテナンスを目指したコンセプトタイヤも展示

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小型トラック・バス用リブタイヤの新製品「DELVEX M135」(小林岳夫撮影)。

 このほか注目の新製品は、2024年4月24日に発表された小型トラック・バス用リブタイヤの新製品「DELVEX M135」です。いすゞ「エルフ」に装着して展示されていました。

 従来製品の「M134」で定評のウエット性能を維持しつつ、耐摩耗性能と低燃費性能を両立しています。トラックは空車時にタイヤの接地面積が少なくなるため偏摩耗が起きやすいですが、「M135」では「M134」よりもセンターエリアを広げ、ブロックも大きくして接地面積を拡大し、耐摩耗性能を向上させています。

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「低メンテナンス オールウェザータイヤ」を装着した三菱ふそう「スーパーグレート」のコンセプトモデル(小林岳夫撮影)。

 また、コンセプトタイヤ「低メンテナンス オールウェザータイヤ」も、三菱ふそう「スーパーグレート」に装着して展示されました。

「トーヨータイヤ史上、最高品質を目指す」をうたう「低メンテナンス オールウェザータイヤ」は、偏摩耗の発生を抑えるパターンを採用。トラックの運用では必須なタイヤローテーションの頻度減少を図っています。

 大型トラックのタイヤは1台あたりの本数も多く、大きくて重いもの。低メンテナンス化によってメンテナンスにかかる時間・人手の削減、環境負荷の減少につながることが期待されるタイヤです。

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「低メンテナンス オールウェザータイヤ」のコンセプトモデル(小林岳夫撮影)。

ブルーがモノトーンに映える!「トーヨータイヤ」ブース

 ここまで、ジャパントラックショーで披露された新製品を紹介してきましたが、改めてブース全体を見てみましょう。展示ホールの一角に設けられたトーヨータイヤブースは、イメージカラーのブルーがモノトーン基調に映え、落ち着きの中にも華やかさを持っていました。

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ジャパントラックショー2024のトーヨータイヤブース(小林岳夫撮影)。

 ソリューション紹介のコーナーでは「安全運行」「環境負荷低減」「コスト削減・コスト平準化」「業務効率化」の4つを切り口に同社のソリューションを提案しました。使用済みタイヤの表面に新しいゴムを貼り、再使用できるようにした環境配慮タイヤ「リトレッドタイヤ」に関しては、溝がなくなったタイヤが再度使用できるようになるまでの過程をブース中央に展示していました。

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「安全運行」「環境負荷低減」「コスト削減・コスト平準化」「業務効率化」の4つを切り口に同社のソリューションを提案(小林岳夫撮影)。

連日のトークセッションも大好評!

 ブース奥には大型モニターとステージが設置され、開催初日には同社スタッフとゲストにSenoPro Trucks社長の瀬野博之氏を迎えて、コンセプトタイヤ開発にまつわるトークセッション「物流2024年問題 ~タイヤにできること~」が行われました。

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SenoPro Trucks社長の瀬野博之氏をゲストに迎えたトークセッション「物流2024年問題 ~タイヤにできること~」の様子(小林岳夫撮影)。

 トークセッションでは「トーヨータイヤ史上、最高品質を目指す」をうたう「低メンテナンス オールウェザータイヤ」についてトークが行われ、瀬野社長は同タイヤの性能を把握した上で、さらに「1台でタイヤ12本を使用するようなトラックを何十台、何百台と管理している企業にとってメンテナンスは大変な作業。この時間を短縮することができれば他の作業に時間を割くことができる。特に自社でメンテナンスを行っている企業には特に良いと思う」と期待を寄せていました。

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(左)モータージャーナリストの竹岡圭氏 (右)TOYO TIRE 技術開発本部TBタイヤ開発部の藤岡剛史氏(小林岳夫撮影)。

 さらに、新製品開発に関するトークセッション「小型EVトラック専用タイヤの開発秘話」では、モータージャーナリストの竹岡圭氏と同社スタッフによるトークセッションが行われ、新開発の小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV」の開発秘話などが語られました。

 登壇したTOYO TIRE 技術開発本部TBタイヤ開発部の藤岡剛史氏は「リブタイヤとオールウェザータイヤの優れた性能を融合させた非対称パターンとしたことで、EVの車両特性に対応した性能を効果的に発揮することができる」と「M151 EV」の性能に自信を示していました。

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モータージャーナリスト 竹岡圭氏によるトークセッション「3時のひととき 〜圭's Cafe〜」で来場者に振る舞われたコーヒー(小林岳夫撮影)。

 そのほか、毎日午後3時にはモータージャーナリストの竹岡圭氏によるトークショーが行われ、来場者にコーヒーや茶菓が振る舞われ一緒に楽しむというゆったりとした時間も提供していました。3日間の開催期間を通じて、常にスタッフと来場者の笑顔が絶えないすてきな空間となっていました。

 楽しい雰囲気の中に、新しい提案や画期的な新製品を展示した「ジャパントラックショー2024」のトーヨータイヤ。今後の新製品や新提案、そしてチャレンジから目が離せません。

「すべてのトラック・バス事業に携わる人たちに“感謝を伝えるプロジェクト2024”」

【了】

【画像】「ジャパントラックショー2024」に出展したトーヨータイヤブースの内容を見る(47枚)

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれの自動車・鉄道系イラストレーター/ライター。雑誌、WEB媒体で連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。クルマは商用車や実用車、鉄道ではナローゲージや貨物、通勤電車、路面電車、地方私鉄などを好む。

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