こんごう型後継のイージス艦にも搭載か 日本の空まもる高性能レーダー 「ココがスゴイ」をロッキード・マーティンに聞いた〈PR〉
日々脅威度が高まる日本周辺の安全保障環境。それに対応するため、最新鋭の高性能戦闘艦である「イージス・システム搭載艦」が海上自衛隊に配備されます。じつは、その戦闘能力のキモとなるのが、搭載する高性能レーダーである「SPY-7」です。その性能やメリットなどについて、これを製造するロッキード・マーティン社の幹部に伺いました。
日本の防衛産業にもメリットが
じつは、SPY-7は日本の防衛能力を向上させるだけではなく、日本の防衛産業にとっても大きなメリットをもたらす存在であると、マーシャル氏は説明します。というのも、SPY-7の構成品製造に、日本の大手防衛関連企業である富士通が参画しているからです。
「2025年5月に、当社は富士通との間でSPY-7レーダーシステム向けのサブアレイ・スイート用電源装置を製造するための協業に関する覚書(MOU)を締結しました。SPY-7の各サブアレイ・スイートには2基の電源装置が必要で、富士通はそれらを当社と共同で製造することになります。
まずは、既存のASEV向けレーダーの維持整備用電源装置から供給を開始し、将来、日本がSPY-7搭載艦を追加導入する場合には、富士通が引き続き電源装置を製造し、ASEV向けレーダーの持続的なサポートにも携わることが可能です。私たちは富士通とのパートナーシップに非常に期待しています」
富士通担当者「単なる協業による連携以上の効果がある」
このSPY-7用電源装置の製造に関するロッキード・マーティンとの協業に関して、筆者は富士通の担当者にもお話を伺いました。まず、同社においてロッキード・マーティンとのビジネス企画を担当するグローバルビジネス推進室の高本悠介マネージャーは、海上自衛隊のASEVに関する運用サポートだけではなく、今後日本以外のSPY-7運用国への部品供給も視野に入れた事業展開を模索しているといいます。
「SPY-7は、すでに海上自衛隊での導入が決定している以上、その運用を支えるためのさまざまなサポートが必要になってくると考えています。その観点から、当社としては単なる部品製造にとどまらない形での協業のあり方について、すでに関係各所への提案を開始しているところです。
当社は日本だけではなく、インド太平洋地域における平和と安定にも貢献していきたいと思っています。そこで、同じSPY-7運用国に対しての部品供給を通じて、日本とその周辺エリアにおける安全保障の一翼を担っていきたいと考えています。その観点から、当社としては、世界最大の規模を誇るロッキード・マーティンのサプライチェーンに同社の戦略的パートナーの一員として参画することができるというのが、今回の協業における大きなメリットの一つだと認識しています」
現場での実際の部品製造などについて担当するアドバンスドプロダクト事業部エンジニアリング部の芦川健一部長によると、富士通では今回の協業を通じて多くのことを学び、大きな影響も受けたといいます。
「今回私たちが担当するのは、SPY-7のなかでも大量生産が求められる部品になります。これまで、防衛関連事業では少数生産される製品のなかの部品を担当することが多かったため、大量生産の手法などは大変勉強になりました。加えて、2023年以降の防衛予算増額の流れに対応するため、工場規模の拡大を図ったこともこれにうまくマッチしました。
また、当社の防衛事業に関する製品が製造される那須工場(栃木県大田原市)でも、今回の協業による影響を大きく受けています。というのも、工場でも今後SPY-7関連の部品製造や維持整備などを行っていくために、現場の従業員たちが英語の学習に力を入れ始めたのです。先日、われわれの部署の設計担当メンバーが那須工場を視察したのですが、その英語学習への熱の入りようを見て、うち(エンジニアリング部)の若手も『負けていられない!』と、やはり英語の勉強を頑張ると言い始めたのです。
このように、働いている従業員の意識というのも、今回のロッキード・マーティンとの協業でさまざまな変化がありました。今後、われわれのモチベーションはさらに高まっていくと思います」
このように、SPY-7の部品製造への富士通の参画は、単なる協業による連携以上の効果をもたらしていると言えます。
現在、海上自衛隊は、おおむね10年後までにイージス艦を2隻増勢し、10隻体制とする計画を明らかにしており、旧式化したこんごう型イージス艦4隻の後継艦の取得等も想定されています。
防衛省が今後イージス艦を取得・更新する場合については、搭載レーダー選定について白紙的な検討を行うとのこと。すでにASEV用に導入されており、かつ日本企業である富士通が製造に参画しているSPY-7は、その有力な候補となるでしょう。
Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)
軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。






