これがホントの「道の駅」!? 山あいの国道に現れる「町田駅」 道路になった大分の鉄道〈PR〉

国道を走っていると、突如、ホームでよく見る「駅名標」が現れる場所が大分県にあります。付近には、道路用の信号機が設けられた元鉄道トンネルも。フェリーさんふらわあを活用し、大分の鉄道と食、温泉を体験してきました。

仕事を終えて夜に出て、朝に着

 大分県内陸部の道路脇に突如、「まちだ(町田)」と書かれた駅名標が出現する場所があります。

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大分県の道路脇に立つ「まちだ」の駅名標。

「町田」といえば、かつて知人の東京都町田市出身者が「神奈川県町田市じゃないから!」と、自虐的に笑っていたことを思い出します。町田市にはJR横浜線と小田急小田原線の「町田駅」があり、その人口はおよそ42万8600人(2018年12月現在)。東京都ですが、神奈川県側にボコッと飛び出た部分に位置するため、そんな冗談を聞くことがあるのです。

瀬戸内海を西へ!

 それはさておき、大分県の、なぜか道路脇にある「町田駅」です。

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出港を待つ「さんふらわあ こばると」。大阪の「さんふらわあターミナル」付近にはコンビニやファミレス、百均もあり、便利だった。

 そこを目指すべく2018年12月の金曜日、大阪南港の「さんふらわあターミナル」を19時55分に出港する、大分県の別府観光港行きフェリー「さんふらわあ こばると」に乗船。瀬戸内海を西へ向かいました。「さんふらわあターミナル」は、ニュートラム(大阪メトロ南港ポートタウン線)のトレードセンター前駅直結という、高い利便性が特徴です。なお日曜から木曜発は、発着とも50分早いダイヤになります。

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夜景が美しい「さんふらわあ こばると」の船旅。写真は明石海峡大橋。
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「さんふらわあ こばると」の夕食バイキング。大分名物「鶏めし」「鶏天」、大分のみそを使った味噌汁のほか、クリスマスシーズンということでチキンなどもあった。

 別府観光港へ翌朝、定刻の7時45分ごろ到着したのち、接続する路線バスで別府駅へ。8時30分過ぎ、レンタカーで同駅を出ます。

いざ「道の駅」へ!

線路から別れていく「土手」

 まず向かったのは、別府駅から約50km走った先にあるJR久大本線の恵良(えら)駅(大分県九重〈ここのえ〉町)。ここからかつて「宮原(みやのはる)線」という国鉄路線が、南へ向かっていました。

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久大本線の恵良駅と、熊本県に入った肥後小国駅とのあいだ26.6kmを結んでいた宮原線(国土地理院の地図を加工)。
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左側の“土手”が宮原線の線路跡。右はJR久大本線の線路。

 恵良駅の南側に到着すると、久大本線の線路から別れるように延びていく“土手”を発見。1984(昭和59)年に廃止された宮原線の線路跡です。

現れた道の駅「まちだ」!?

 恵良駅付近から国道387号を、トンネルを抜けつつ南に進むと、ほどなく左手に見えてきました。道路脇にそびえる「まちだ」の駅名標。まるで道路が線路であるかのように、そのすぐ隣に「ホーム」と「駅名標」が存在しています。

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道路脇で、駅名標とともに残るかつての宮原線町田駅ホーム跡。
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町田駅の周辺は、のどかな山あいの集落。かつて国鉄には、「町田駅」が東京都と大分県の2か所にあった。
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町田駅ホーム跡から階段を降りると、小さな公園があった。

 この「町田駅ホーム前」を通る国道387号は、実は宮原線の跡地を活用して造られた「町田バイパス」と呼ばれる道路。途中で通ってきたトンネルも、宮原線のトンネルを拡幅したものです。

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宮原線のものを拡幅した町田バイパスのトンネル。

続いて「宝泉寺駅」が出現!

 宮原線の線路跡に造られた町田バイパスをさらに南へ進むと、今度は「宝泉寺駅」が現れました。

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「宝泉寺駅」周辺には名前の通り、温泉が湧いている。
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鉄道史料も展示されている「宝泉寺温泉観光物産館 宝泉寺駅」。
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「宝泉寺駅」に掲出されていた1982年の時刻表。

 宮原線宝泉寺駅の跡地に設けられた、観光物産館です。その内外に宮原線関係の展示があるほか、地元産品の販売などが行われています。

道路信号機が設置された鉄道トンネル

 この宝泉寺駅付近で、宮原線の廃線跡は国道から離れます。

 その廃線跡を探しながら進んでいくと、クルマがすれ違えない幅の道路トンネルが見えてきました。宮原線のトンネルを流用したものです。

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宮原線のトンネルを流用した道路トンネル。

 元々が単線(線路が1本)の鉄道用トンネルで、内部でのすれ違いができないため、交互に進入するよう、出入口へ2灯式の道路信号機が取り付けられています。

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軽自動車同士でもすれ違いは困難な幅。

 信号が青になったところで、この元鉄道トンネル内へレンタカーで進入します。なお発車時、「出発進行!」と信号機の“指差し確認”をしたことは、いうまでもありません。

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外光が差し込む出入口は明るいが、その奥は闇。

 トンネルを抜けた反対側にも、同様に信号機が存在。廃線跡の道路はそこからさらに続いていましたが、単線の幅しかない線路跡で、すれ違いも困難なため、この先へ進むことはオススメしません。また廃線跡周辺は生活道路であるため、通行や駐車、撮影、見学などは十分な配慮が必要です。なお、ここで紹介した廃線跡は、すべて大分県九重町内になります。

実はまだ、お昼前です

 というわけで廃線跡探訪を満喫しましたが、実はまだこの時点で、時刻はお昼の12時前。関西を夜に出て、朝に大分へ到着するフェリーさんふらわあ。その「寝ているあいだに移動し、朝から活動開始。時間を有効活用できる」というメリットを感じた瞬間でした。

 もちろん「さんふらわあ」には、マイカーと一緒に乗船することも可能。その場合は駅への移動やレンタカーの借用が不要のため、大分到着直後から自由に、より効率的に旅を楽しめます。

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様々な客室が用意されている「さんふらわあ こばると」。写真はゆったりした2人用の個室「デラックス」。キッズスペースやペットルームもある。

 ただ逆に、朝から活発に動いてお腹がすいたので、大分の名産品であるシイタケを、炭火焼きでいただきます。

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宮原線廃線跡近くのお店で、大分名産のシイタケ、そして地鶏を、炭火焼きで香ばしく……(2018年12月、恵 知仁撮影)。

 肉厚ならではの歯ごたえ、ジューシーゆえの味わいに満足したところで、今度は大分の代名詞的なアレを楽しむことにしました。「温泉」です。

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大分県は16市町村で温泉が湧出。2017年3月末における源泉総数は4385、湧出量は毎分28万1331リットルで、ともに全国第1位(2018年12月、恵 知仁撮影)。

 大分県は「おんせん県」というだけあり、先述の通りこの宮原線跡付近にも温泉が点在。廃線跡めぐりをしながら、その看板がとても気になっておりました。

 実際に入浴して感じたことについては、言うまでもないので省略します。

●「フェリーさんふらわあ」ウェブサイト

https://www.ferry-sunflower.co.jp/

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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