鉄道空白地域解消へ 動き始めた多摩都市モノレール「箱根ケ崎延伸」予定地のいま

多摩都市モノレールの上北台~箱根ケ崎間を延伸する構想を具体化する動きがでてきました。その構想とはいったいどういったものでしょうか? 多摩都市モノレールの延伸区間の概要や現状を紹介するとともに、列車ダイヤを考えていきます。

この記事の目次

・鉄道空白地域解消に向けて延伸構想を具体化へ
・多摩都市モノレール「箱根ケ崎ルート」とは?
・「箱根ケ崎ルート」の現在の様子を見る
・延伸区間のダイヤを予想
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鉄道空白地域解消に向けて延伸構想を具体化へ

 東京郊外の多摩地域の南北約16kmを結ぶ多摩都市モノレール。現在は多摩市の多摩センター駅から北上し、京王電鉄京王線、JR中央線、西武鉄道拝島線などの東京都心から郊外へ向けて延びる路線と交わりながら東大和市の上北台駅の間を36分で結んでいます。1998(平成10)年の開業当初は経営が不安視されていましたが、2008(平成20)年からは経常黒字に転じ、乗客も増加傾向ですっかり多摩地域の足として定着してきました。

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多摩都市モノレール開業時から使用される1000系電車(2020年9月、鳴海 侑撮影)。

 そして今年、東京都が鉄道空白地域解消に向け、多摩都市モノレールを延伸する構想の具体化に向けて動き出しました。今回は具体化してきた多摩都市モノレール延伸構想の概要と沿線のまちづくり、想定されるダイヤを見ていきたいと思います。

多摩都市モノレール「箱根ケ崎ルート」とは?

 今回動き出した多摩都市モノレールの延伸構想は、東京都東大和市の上北台駅から東京都西多摩郡瑞穂町のJR箱根ケ崎駅へ至る約7kmのもので、通称「箱根ケ崎ルート」と呼ばれています。ほかには多摩センター駅から八王子駅へ延伸する通称「八王子ルート」や多摩センター駅から町田駅へ延伸する通称「町田ルート」があり、すべての延伸構想が実現すると多摩都市モノレールの総延長は93kmになります。

「箱根ケ崎ルート」は途中、東京都で唯一鉄道が通っていない「市」の武蔵村山市を経由します。武蔵村山市は総人口約7万2000人の市で、鉄道空白地帯のため長らく多摩都市モノレールの延伸を要望してきました。また、現在人口がモノレールに近い南東部に偏るなか、モノレール延伸で市全体の活性化につなげたいようです。

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多摩都市モノレール延伸構想で沿線自治体が想定しているルートと新駅予定地。駅名は筆者が独自につけた仮称(鳴海 侑作成/地理院地図を「武蔵村山市まちづくり基本方針(改定)」および「瑞穂町都市計画マスタープラン」を元に加工)。

 そのようななかで2018年に「東京都鉄道新線建設等準備基金」を創設する際、東京都は多摩都市モノレールの延伸構想のうち上北台駅から箱根ケ崎駅への「箱根ケ崎ルート」と「町田ルート」を優先して整備していく路線としていました。そして今年度の予算案に「箱根ケ崎ルート」の事業化に向けた調査費用を計上し、本格的に延伸線の事業化に動き出しました。12年後の開業を想定しており、想定通りにいけば2032年頃に開業することになります。総事業費は現在約800億円と見積もられています。

「箱根ケ崎ルート」の現在の様子を見る

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Writer: 鳴海 侑(まち探訪家・フリーライター)

1990年、神奈川県生まれ。私鉄沿線で育ち、高校生の時に地方私鉄とまちとの関係性を研究したことをきっかけに全国のまちを訪ね歩いている。現在はまちコトメディア「matinote」や「公共交通×IT最前線レポート」などで交通やまちに関する記事を執筆中。趣味はローカル私鉄やローカルバスに乗ること。

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