成田空港の管制塔 なぜ3本? 実は国内唯一「ユニークづくしな運用」が関係 その経緯
成田空港では、3本の管制塔が並ぶ様子を見ることができます。やけに多い管制塔の数に関係するのは、国内では成田のみが採用する「ユニークづくし」な航空管制の運用です。3本体制となるまでの経緯を見ていきます。
着陸後の指示は「グラウンド」が実施するのが一般的だが……
成田空港では、2020年9月現在、管制塔が3本並ぶ様子を見ることができます。
旅客機は、出発から到着まで、パイロットの独断ではなく、航空管制官のコントロールのもと動きます。そしてそのやり取りは「エアバンド」とよばれ、一般的に無線機を介して聞くことができます。管制官はステップごとに担当分野が分かれています。
たとえば着陸でいえば、降下時には、その空港の「アプローチ(入域管制)」をと無線でやり取りしたのち、滑走路周辺の航空機を管轄する「タワー(飛行場管制)」の指示のもと着陸、その後駐機場に停止するまでは「グラウンド(地上管制)」が指示を出す、といった形が一般的です。
そのため成田空港で飛行機の撮影や見学のためにエアバンドを聞いていると、パイロットが「ナリタ・タワー」と通信を始めた時点で、撮りたい、もしくは見たい「お目当ての便名」が分かっていれば、間もなくその飛行機が着陸してくることが分かります。
着陸間近の迫力ある写真撮影ならこれで「次の機体を撮ろう」となりますが、もし降りてきた便をそのまま追いかけると、成田空港ではユニークな事象が発生します。成田の管制塔の本数がやけに多いのも、これが関係しています。
先述のとおり、着陸後の飛行機は、「グラウンド」の指示のもと、駐機場(スポット)まで移動し、そのまま停止し到着となるのが一般的です。対し、成田空港では到着機が着陸し「グラウンド」とやり取りし駐機場の周辺になると、さらにそのエリアのみを担当する「ランプ」という部署とコンタクトするのです。この「ランプ」が備わった空港は、国内では成田空港のみです。そして、このランプのユニークなところはこれだけではありません。
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