「プロの凄技」が見られる空港は? 奥深き「タキシング」の世界 ANAパイロットに聞く
飛行機が誘導路を走って滑走路に向かう「タキシング」は、実は高いテクニックが求められる操作です。では「最もプロの技が必要とされる」空港はどこなのでしょうか。ひとえに誘導路といっても、狭い所やカーブの多い道などいろいろあるようです。
スラストレバーを1mm単位で調整する「タキシング」
出発した飛行機は駐機場からトーイングカーで押してもらったあと、自分で誘導路を走って滑走路に向かうのが一般的です。
この「タキシング」は、実は離着陸にも匹敵する高いテクニックが求められる操作ともいわれます。パイロットは、地上から離れたあとはオートパイロット(自動操縦)によるアシストも可能ですが、タキシングの場合は言ってしまえばすべて「手動」操縦です。
ANA(全日空)のパイロットによると、エンジン出力を操るスラストレバーのバランスを1mm単位で調整することもあるほか、風の影響や機体の重量バランスから操舵操作をしないとまっすぐ進まないケースもあるそうです。
そのような中、管制官から指示されたルートを通って滑走路まで向かわなければならず、時には一度に3つから4つの指示が来ることも。パイロットにはこれらを正確に記憶し、2人で都度確認しながら遵守する能力も求められます。
では最も「プロの技」必要とされる空港はどこなのでしょうか。先述のANAのパイロットによると、タキシングの難しさを決める要素は、たとえば誘導路の「幅や形状」「勾配」「構成の複雑さ」といったものがあるそうです。
現在の新型機はエンジンのアイドル・スラストが強力なので、アイドルのままでも加速してしまいます。
そこで速度 (GS) が30ノット程度まで増加したならブレーキを使って10ノット程度まで減速した後、ブレーキを放し、加速後に再びブレーキで減速することの繰り返しなのです。
1mm単位でスラスト・レバーを調整などと ANA のパイロットが言う訳ない。