濃霧で視界真っ白… 着陸できる/できない旅客機なぜ発生? 背景に「超有能装置」

悪天候での着陸ガイドシステム どんな歴史が?

 視界が悪くなっても飛行機が安全に着陸できる「自動着陸誘導システム」の発展は、ヨーロッパの空港が進んでいるといわれています。一方で、航空大国のアメリカでは、気象条件が比較的良い空港が多いことなどから、ヨーロッパほど、その部分に神経を払う必要がなかったのかもしれません。

 一方、「霧のロンドン」といった言葉があるように、イギリス製の旅客機はホーカー・シドレー(現BAEシステムズ)のHS121型「トライデント」旅客機で、初めて自動着陸装置を標準装備するなど、比較的早い段階から誘導システムに対応した飛行機をデビューさせていました。

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ホーカー・シドレー「トライデント」2E型(画像:Hugh Llewelyn[CC BY-SA〈https://bit.ly/2Vh1bOa〉])。

 ヨーロッパではイギリスだけでなく「航空交通システム」の面においても、第二次世界大戦終了以降発達しました。このことから、着陸誘導システムが先んじて発展したのではないでしょうか。

 そして、先述の現代の空港でも多く導入されている着陸システムのILSに至るわけですが、いわゆるボーイング737クラス以上のいわゆる「成田でよく見かけるような旅客機」は、ILS機器を搭載しているのが一般的です。

 とはいえ実は、それらの旅客機すべてがILSで着陸できるわけではないのです。たとえば、同じボーイング787型機を使っていても、視界不良時に着陸できるフライト、できないフライトがあるのはこのためです。

画像でサッと見る!「ILSの精度でどれだけ変わるのか」

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