濃霧で視界真っ白… 着陸できる/できない旅客機なぜ発生? 背景に「超有能装置」

霧が多く発生する成田空港などでは、視界が悪い時にも着陸してくる機と、そうではない機に分かれます。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。そこにあるのは、高性能な着陸システム。その歴史や仕組みなどを見ていきます。

実はすべて対応しているわけではない「ILS」あれこれ

 というのも、パイロットは、そのILSの精度ごとに資格を保有する必要があります。また、航空会社側も一定以上の精度(CATII以上)でのILS対応をするには、使用条件を満たし、日本国内の航空会社であれば国土交通省の認可を受ける必要があるのです。

Large 20201017 01
成田空港のA滑走路の北側「16R」に着陸するニュージーランド航空のボーイング787型機(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。

 パイロット側から見るとILSは、パイロットの前の計器盤に「姿勢指示器」という計器があり、そこに写る横と縦に棒が進入コースとのズレを表すことでガイドします。霧などで視界が著しく悪いときでも、パイロットはその表示の縦と横の棒がちょうど画面の中心で交わったキレイな「十字」となるように操縦(自動操縦が大半)することで、正しい進入コースで滑走路まで安全に辿り着けるというわけです。

 ちなみに、成田空港でにおいても、すべての滑走路で「視界がほぼない」気候でも着陸できるILSを備えているわけではありません。成田の場合、第1ターミナルの向かいにある4000mのA滑走路の北側「16R」のみに「CATIIIb」を設置しています。

 なお、このILSでの着陸、いまでは普通の人でも、家で「疑似体験」することができます。たとえばマイクロソフトのフライトシミュレーターなどが該当し、ILSでの進入のスタートラインから始まり、最後に通過するインナーマーカーを経たのち、急に滑走路が広がる、といった経験をシミュレーター上で積むことが可能です。ILSに乗ったら、「ローカライザー・キャプチャー」と発声しましょう。

【了】

画像でサッと見る!「ILSの精度でどれだけ変わるのか」

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  3. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  4. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号