【空から撮った鉄道】深まる秋の福島の鉄道〔第2回〕 只見線

2016年の秋、福島県の鉄道を空撮しました。今回はその2として、奥会津の深い山々を縫って走る只見線を紹介します。只見線は海外にも知られ、多くの人々を魅了する路線です。空撮は2016年11月10日。いまから4年前のことです。

この記事の目次

・只見線へは何度も訪問
・目の前には灰色の雲が
・狙う列車は一択で
・会津若松まで追いたいところだが…

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只見線へは何度も訪問

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福島駅から只見川のほとりに位置する会津川口駅に到着。まるで湖に浮かぶ島に駅と町があるかのようだ。写真は北側から撮影したもので、右手側が小出方面。現在、会津川口駅から只見駅までの区間が不通となっており、バス代行輸送を行っている(2016年11月10日、吉永陽一撮影)。

 私は集中豪雨後の泥出しボランティアに参加した後、これも何かの縁かもしれないと、只見線、とくに福島県側へ何度も訪れています。やがて、全線復旧が決まった只見線を空撮したいと思い、深山幽谷の言葉が当てはまるほどの奥深い山々へ、どうやったら効率よく飛べて空撮できるか頭をひねりました。そこで、福島県の鉄道をまとめて撮ろうと、福島駅の後に只見線へ飛ぶことにして、前回で紹介した福島交通の撮影を終えて、只見線へ向かうプランを立てました。

目の前には灰色の雲が

 しかしプランどおりに行くかどうか、福島駅を飛行中の目の前に憚(はばか)る灰色の雲をみて、暗雲立ち込めてきました。安達太良山と磐梯山が雲で覆われていたら只見線を諦めることにしていたからです。福島駅のある中通り地域と会津地域の間には、標高1709mの安達太良山、標高1816mの磐梯山、標高1975mの東吾妻山と、山岳地帯が待ち構えています。それに加えて只見線は山の中。曇天の天候でも、低層に雲が降りていれば視界不調となり、飛行は危険です。

 セスナ機は安達太良山と東吾妻山の間を飛行します。雲は低く垂れ込んでいる部分はあっても、磐梯山を過ぎて前方を見やると、只見方面まで雲が山の稜線より上にあり、視界は確保できそうなので決行いたしました。ひとまず安心です。

狙う列車は一択で

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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