500km/hで走る未来の新幹線「超電導リニア」客室空間はどう進化する? 見えてきた姿
足元は飛行機のようになったL0系改良型試験車
こうした「車内空間を広く明るく感じさせること」や、それを狙った天井は、客室の足元にも変化を与えています。
L0系改良型試験車は、そのために荷棚が小さくなっていることなどから、まるで飛行機のように、前席の下――自分の足下にも荷物の収納スペースが用意されています。
また客室の前後に大型荷物用のスペース、荷棚も備えられました。
L0系改良型試験車、車内もうひとつのポイントは「反射音の低減」です。
リニア中央新幹線は大部分がトンネル。7号車、6号車とも異なる天井形状ですが、それぞれ反射音の低減を考えたものです。7号車は膜素材による平滑形状により、6号車は吸音素材(ガラス素材)を活用した凹凸形状により、その実現が図られています。
実際にこのL0系改良型試験車の車内を見たところ、膜素材の7号車は、間接照明の効果、また前後方向の壁が黒だからか、高級感と落ち着きがある印象です。
6号車は直接照明で、ストライプ柄のような天井であることから、7号車ほどの高級感や落ち着きは感じませんでしたが、幾何学的で、先進性やスピード感、カジュアルさが印象的。7号車はグリーン車、6号車は普通車っぽいという感じもしました。
超電導リニアモーターカーについてJR東海は、すでに確立した実用技術について、さらなる保守の効率化や快適性の向上を目指し、走行試験を続けているといいます。未来の新幹線、その車内はどうなるのでしょうか。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
今までの新幹線も、座席下に電熱線が仕込んであるわけではないと思うので、そのスペースに物を置けるようにできる気がします。でも私は荷物を床には置きたくないです。