「縁石ビタ止め」自動運転バスならでは? トヨタ「e-パレット」乗ってみたら凄かった!
トヨタが開発した電動の自動運転バス「e-パレット」に試乗。乗り場にやってきたバスは驚くべき精度で縁石に車体を寄せて停車しました。手動での運転もできますが、その場合はハンドルではなく「ジョイステック」です。
運転は無人ときどき「ジョイスティック」?
トヨタのテレビCMなどでもよく登場している電動の自動運転バス「e-パレット」、その試乗会が2020年12月21日(月)に羽田イノベーションシティで行われました。
e-パレットは、東京オリンピック・パラリンピックの選手村内を走る巡回バスとしての実用化を想定して開発が進められていたもの。トヨタはこれをバスだけでなく、宅配の物流、あるいは移動店舗や移動オフィスといった用途に活用することも考えています。
羽田イノベーションシティ内では、複数のe-パレットが等間隔で運行。これらはシステムが自動で運行管理しており、会場内にある監視センターで、その状況が把握されます。車両側も歩行者や障害物を自動で検知しており、横断歩道に立っていると、ヘッドライトで「ウインク」して道をゆずってくれたのも印象的でした。
では、実際に乗車してみましょう。乗り場に立っていると、e-パレットがすーっと静かに近づいてきました。驚くべきはその停車の「精度」。縁石との隙間は数センチ単位というところまで車両を寄せて停車し、かつ車両から自動で展開されるステップが隙間を埋め、車いすやベビーカーの人も楽に乗車できます。
この停車の精度は、同行した自動車評論家の国沢光宏さんも、「人間の運転では相当難しい」と舌を巻いていました。
最大20人が乗れるという車内は広々としていて、座席は折り畳まれた状態。ハンドル類は車内に見当たりませんが、人が運転することも可能だそうです。実は車内の左側に、「ジョイスティック」が格納されており、それで操作するのだとか。トヨタの担当者によると、ジョイスティックであの停車精度を実現するのは、実際には「かなりの熟練を要する」そうです。
e-パレットは、やはり2021年に延期された東京オリンピック・パラリンピック選手村における巡回バスとしての実用化を予定しているとのことですが、会場内には移動店舗を想定したモデル車両もありました。こうした用途も含め、トヨタは今後、全国で様々な実証実験を行っていく構えです。
【了】
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