”幻の国鉄線”がリニア時代の「国道バイパス」に変貌へ! 高速も国道も避けた山を貫くルート “すでにあるトンネル”活用!?

国土交通省 中部地方整備局は2025年8月、事業評価監視委員会を開催し、長野県飯田市で事業中の国道153号「飯田南バイパス」について進捗を共有しました。

未成線トンネルが国道バイパスに

 国土交通省 中部地方整備局は2025年8月、事業評価監視委員会を開催し、長野県飯田市で事業中の国道153号「飯田南バイパス」について進捗を共有しました。

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飯田南バイパスの現道にあたる国道153号飯田IC西交差点付近の状況(画像:中部地方整備局)。

 国道153号は長野県伊那地方を南北に貫く主要国道です。飯田市街の「飯田バイパス」区間で西へルートを変え、中央道の飯田ICに接続、その後は南の飯田山本ICまで、中央道とともに山を避けるような線形となっています。狭隘で事故も多い現道に代わり、この「二ツ山」をいわば“正面突破”して飯田バイパスと連続する4車線道路を形成するのが、飯田南バイパス(4.5km)の事業です。

 飯田市北部にはリニア中央新幹線の長野県駅が建設中ですが、その主要なアクセス道路となるのが国道153号です。飯田南バイパスの整備により、阿智村の昼神温泉方面へのアクセス性向上が期待されています。

 ただ、実は二ツ山にはすでにトンネルが存在します。それは、旧国鉄が建設し、未成線となった「中津川線」(飯田-中津川)のトンネルです。約1.5kmの二ツ山トンネルのほか、その前後には鉄道の盛土や路盤などもそのまま残っています。

 中津川線は1960年代から70年代にかけて工事が進んだものの、並行して中央道が開通したことで、飯田-名古屋の直通も高速バスで実現。1980年度には工事が凍結されました。二ツ山より南側の路盤の一部は、飯田山本ICへ通じる国道153号バイパスに転用されています。

 新設される飯田南バイパスのルートは、二ツ山に残る旧国鉄トンネルと大部分が重複しており、トンネルを一部拡幅して道路トンネルとする見込みです。ただし、二ツ山の北側に残る「旧国鉄の盛土は利用しない計画」と飯田市の都市計画審議会で説明されています。

 飯田南バイパスは2023年度に事業化したばかりで、用地買収や工事などはまだ行われていません。今回は、物価上昇に伴う資機材や労務単価の増加により、全体事業費が54億円増しの404億円となることが報告されました。

 ちなみに、前出した昼神温泉は、国鉄中津川線の神坂トンネル(全長11km)を建設中に温泉が湧出したことをきっかけに開発された温泉地です。飯田と岐阜県中津川を結ぶ夢はリニア中央新幹線が引き継ぎ、未成となった在来線はバイパス道路に転用され、副産物として湧き出た温泉地の振興に寄与する――この未来を当時に想像できたでしょうか。

【これが未成トンネルなのか…!?】「飯田南バイパス」と「幻の国鉄中津川線」(地図/写真)

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