海自の「最新潜水艦」建造へ!通常動力型では “世界最強クラス”の能力 完成イメージも明らかに
VLS搭載の潜水艦はしばらく先になりそう。
「令和7年度潜水艦」建造に向けた動きが本格化
防衛装備庁は2025年7月、「令和7年度潜水艦」の建造に向けた技術資料の募集要領を公示し、完成イメージも公開しました。この潜水艦は海上自衛隊で最新鋭の通常動力型潜水艦となる、たいげい型の9番艦となる見込みです。

たいげい型の基準排水量は約3000トン、主機関にディーゼルエンジンとリチウムイオン電池を組み合わせたディーゼル電気推進を採用しています。現時点では4番艦の「らいげい」まで竣工しており、8番艦(令和6年度計画)まで建造中。「らいげい」からパワーアップした新型のメインエンジンが搭載されました。
たいげい型の外観は前級のそうりゅう型潜水艦とほぼ同じですが、探知能力や静粛性が向上しており、当初から女性自衛官の乗務を想定した設備を備えています。動力が原子力ではない通常動力型の潜水艦では、世界最高水準の能力を持つと言われています。
防衛省は今年度予算に、潜水艦1隻の建造費用として1140億円を計上。「令和7年度潜水艦」は、これまでと同じく、リチウムイオン電池や非貫通化マスト、戦闘管理システム、魚雷防御装置、省人化関連機材などを備えた艦となる予定です。なお、防衛省は、潜水艦に搭載する垂直誘導弾発射システム(VLS)の研究開発を今年度から開始し、2029年度までに成果を検証する予定ですが、「令和7年度潜水艦」はVLSを搭載しません。
ちなみに、海上自衛隊の潜水艦は、三菱重工神戸造船所と川崎重工神戸工場において、交互に隔年で1隻ずつ建造されています。たいげい型の8番艦となる「令和6年度潜水艦」は、川崎重工神戸工場で2024年12月に起工しており、2027年に進水、2029年に竣工する見込み。「令和7年度潜水艦」の進水・竣工はそれ以降となります。
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