ANA印「アバターロボット」の風変わりな利用法「お寺で座禅」 着想の源は?

ANAグループの「アバターイン」が、自社開発のアバターロボットを用いて、遠隔での“座禅体験”を実施するという一風変わった取り組みを実施。企画の意図、経緯などを聞きました。

さまざまな条件が合致し挙行された“座禅体験”

 ANA(全日空)グループのスタートアップ企業「avatarin(アバターイン)」が2020年12月、同社独自開発のアバターロボット「newme」を用いて、大分県速見郡日出(ひじ)町の林岩山朝日(りんがんざん ちょうにち)寺で、遠隔での“座禅体験”を実施しました。

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「アバターイン」開発のアバターロボット「newme」を用いて実施された「座禅体験」の様子(2020年12月、乗りものニュース編集部撮影)。

 アバターロボット「newme(ニューミー)」は、操作者がPCなどを用いて、遠隔操作やテレビ電話ができる機能を備えています。この機能を用いて操作者が、朝日寺へオンラインでアクセス。PCの前で実際に座禅を組み体験をします。7日(月)、8日(火)に実施された一般向けの体験では、15分2セットで座禅体験したのち、10分程度、朝日寺の紹介を実施しています。

 企画の中心となった大分県先端技術挑戦室の高倉圭司主任は、実施までの経緯を次のように話します。

「大分県ではアバターロボットのさまざまな分野での利活用を進めています。いまのところ『newme』は屋内で活動するといった用途がメインなのですが、日出町の観光協会と、町内文化を観光プランとして組み込もうという話を協議するなかで、屋内の条件に合致する観光体験となるとお寺なのかなということで、可能性を探るチャンスがあるかと思い、この企画が立ち上がりました」(高倉圭司主任)

「コロナ禍によって、夏休みなどに実施していた(生身での)座禅会が全くできない状況が続いているなか、関東の方のお寺でオンライン会議ツール『Zoom』を使った座禅会が行われ、ものすごい反響があると聞き、意味あることなのかもしれないと考えていました。また通信環境が整っているというのもあり、この話をお受けしました」(朝日寺住職 工藤卓元さん)

 工藤卓元さんによると、参加者からは「座禅は環境が整わないと、ひとりではなかなか出来ないので、参加してよかったです」といった感想があったそうです。

【了】

「アバターイン」開発のアバターロボット「newme」

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