「豊住線」「都心・臨海新線」 東京の地下鉄新線計画 実現へ進展か?
もうひとつの路線は「つくばエクスプレス」直通?
東京メトロの株式売却にあたって、東京都は都心部と臨海部を結ぶ新たな地下鉄の整備も求めました。
中央区の「都心・臨海地下鉄新線構想」では、新銀座駅と新国際展示場駅のあいだを新築地、勝どき・晴海、新市場駅経由で結ぶ約5kmの路線になっています(駅名は全て仮称)。
またこの路線について、2016年4月に出された交通政策審議会の答申では、現在は秋葉原駅止まりであるつくばエクスプレスと相互直通運転すべき、とされました。つくばエクスプレスの東京駅延伸と一体的に整備し、単体では低い「都心・臨海地下鉄新線構想」の事業性を高めるためです。
同答申によると、その「都心部・臨海地域地下鉄構想」は事業性に課題があるものの、「国際競争力強化の拠点である都心と臨海副都心とのアクセス利便性の向上」「山手線等の混雑の緩和」の意義があるとしています
また中央区はこの「都心・臨海地下鉄新線構想」の背景について、「近年、勝どき、豊海町や晴海などの臨海部では大規模開発により交通需要が増加しており、さらに東京2020大会後には、選手村の大規模住宅供給に伴う急激な人口増加による新たな交通需要が生まれることが見込まれています」としています。
東京メトロの株式売却に関し、有識者による委員会が2021年7月頃に答申案をまとめるとNHKは伝えています。新型コロナウイルスの影響による鉄道利用者の減少、テレワークの広がりなどが考えられるなか、どうなっていくのでしょうか。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
これからは人口減少社会。終電の繰り上げもコロナがなくてもその方向だった。
もうこれからの縮小日本を意識した、撤退戦を考えなくてはならない。
どんな路線でも誰かはメリットを受けるから、もうメリット論で新線建設は不要。
投資は、長寿命化、強靭化のみに使われるべきで、新路線はすべて廃案にすべき。
国勢調査に基づく推計によって、東京都心は未来でも人口増が続く
東京メトロすべての株を売られば、ほんの数キロメトロ新線の建設費よりも多くのお金を稼ぐできるはず
都は、京葉線を三鷹まで延伸と中央本線を立川まで複々線建設、メトロセブンとエイトライナー、日本版クロスレール、外環道早期完成など、よりスケール大きなプロジェクトに資金を投入することも検討したほうがよいでしょう