旅行業界と貸切バスに待つ「冬眠明け後」の世界 「GoTo」や「MaaS」を救世主と呼べない理由

新型コロナの影響で自由な旅行ができない昨今。観光業界や貸切バス業界はいわば「冬眠中」ですが、それが明けたとき、周囲の光景は大きく変わっていると考えられます。新しい観光はどのような姿で、事業者はどう対応しているのでしょうか。

IT技術は「心の琴線に触れる」感動を提供できない

 課題は、いくらウェブ予約が便利になっても、旅程を組み立てるというステップが、一般旅行者にはハードルが高いことです。それも、モデルコース通りでは満足しません。一人ひとりの心の琴線に触れる旅程でないといけないのです。

 往復の幹線交通と現地の宿泊とをウェブ上で自由に組み合わせ、パッケージ価格で予約できるサービスを「ダイナミック・パッケージ(DP)」と呼びます。テーマパークやコンサートなど目的地が明確な旅行では、簡単、お得に予約できるので人気です。現地の交通機関や観光施設をオプションで追加できる機能も充実しました。

 ただ、「“北海道ガーデン街道”のお庭巡りと、味わいある“秘湯の宿”を楽しみたい」といった複雑かつ感覚的な希望の場合、宿泊先や交通の乗り換え情報を調べて……という作業が、別途求められます。

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スマホアプリを活用して様々な交通を便利に利用できる「MaaS」の実験も各地で行われている。写真は東急グループが伊豆エリアで展開する「Izuko」のサービス(恵 知仁撮影)。

 スマホアプリを活用し、地域内の交通機関を便利に利用できるようにする「観光型MaaS」も、各地で実証実験が進められています。IT技術を活用し「バスとタクシーの中間」に当たるオンデマンド交通を導入することで、鉄道駅やバスターミナルから観光地、宿泊施設への「ラストワンマイル」が便利になる点など、期待できる部分はあります。

 しかし、現時点では、IT技術が「心の琴線に触れる」旅程作成を助けるには至っていません。

 発地側の旅行会社が企画、集客、催行を自ら行う従来型ツアーに対し、現地の旅行会社が企画、催行する着地型ツアーでは、遠方からの旅行者を集客する仕組みが必要です。しかし、旅行会社は発地型ツアー、またOTA(予約サイト)は宿泊単品やDPといった得意分野から抜け出せず、新しいニーズに対応する旅行流通のあり方が整わないのです。

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コメント

1件のコメント

  1. 以前二次交通ということがいわれていましたがMaaSは業者横断的にやらないと自社系列内への囲い込みに見えます。 

    団体旅行を値切ってバスの席を埋めてペイするのはいいとしてミステリーツアーは目的地には愛着や憧れはないのでしょう(悪いとは言いません)。 

    今の60歳以下は必然性がなければ団体旅行にはほとんど参加しないのではないですか。 

    集合・出発時刻に拘束される旅程、というものがないクルマでの旅行に流れるのは仕方ないことです。 

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