高速バス 新型コロナからの運行再開 「密」回避に知恵絞る業界 今後の需要と課題

新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言の解除にともない、運休していた高速バスが再開の動きを見せています。もとの需要が完全に戻るとも考えにくい状況のなか、サービスを維持していくために、何が求められるのでしょうか。

3列シートも中央列の販売停止 バスを「安心空間」に

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの 便が運休を余儀なくされた高速バスですが、2020年5月25日(月)に緊急事態宣言が完全に解除されるといった状況の変化を受け、運行再開の動きが出始めています 。

 高速バスは3月初旬から運休便が出始め、緊急事態が宣言された4月以降は多くの便が運休しました。地元自治体から、首都圏や京阪神との往来自粛を促すため運休を強く要請された路線もありました。一方、鉄道だと遠回りや乗り換えが必要となる東京~木更津、新宿~伊那・飯田、仙台~弘前などの路線は、減便して運行を続けました。

 鉄道移動が不便な京阪神~徳島県も同様に「高速バスがメインの交通機関」ですが、毎日200往復以上(経由便を含む)の全便が運休しました。出張や旅行は自粛できても、身内の介護や急な不幸など、移動が必要な人はゼロにならないので、不便な思いをした人もいるはずです。

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弘南バスの車両。運休していた青森と東京を結ぶ路線の一部を再開する(2018年4月、中島洋平撮影)。

 同区間の高速バスを運行する海部観光(徳島県美波町)は6月1日(月)から、徳島バスや神姫バス(兵庫県姫路市)など残りの各社も6月5日(金)から、一部の便の運行を再開します。全国的にも、運行再開や、それに向けた予約受付開始の発表が続いています。

 とはいえ、いきなり通常の運行形態に戻るのは難しそうです。

 隣の乗客や乗務員との距離を取るため、たとえば海部観光は3列シート車の中央列(B席)を、神姫バスは中央列(3列車)、通路側座席(4列車のB、C席)および最前列の全席を、当面のあいだ販売停止します。神姫バス バス事業部営業課長の佐藤匡(ただし)さんは、「当該座席を『みんなの安心空間』と名付け、お客様の安全と安心を優先するという会社の姿勢を示したい」としています。

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