電車の定期券に「入会」? 通勤定期をサブスク化する東急のねらい

「以前のバスは昔の価値観のバス」

 2年前の2019年も、東急は通勤バスの実証実験を行っていました。ハイグレードのバス車両を使ってゆったり通勤するというコンセプトで、たまプラーザ駅発は午前7時00分、渋谷マークシティ着は8時15分という、始業時間に合わせた形でした。

 今回の「Satellite Biz Liner」は一見それに似ていますが、通勤時間自体を業務時間にしてしまおうという「働き方」そのものに対する新しい提案になっており、東急の森田 創MaaS担当課長は、「以前のバスは昔の価値観のバス」と話します。

 コロナ禍で働き方や通勤が大きく変化するなか、東急も変化に対応した形です。

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「Satellite Biz Liner」チケットで割引きになるたまプラーザ駅のタリーズ(2021年2月、恵 知仁撮影)。

 ただ東急自体も、コロナ禍でそのあり方を変化させねばならない背景があります。

 東急電鉄の収入は4割が定期券によりますが、コロナ禍でその販売は減少。東急の森田課長は、「公益事業の鉄道は原価率が高く、売り上げが2割減ると利益が消えてしまうようなもの」といいます。

 そうしたなか東急は2021年1月から、いかに定期券の販売を減らさずにおけるか、これがテーマのひとつともいえる移動などに関する新サービス「DENTO」の実証実験を開始。「Satellite Biz Liner」もその一環で、東急電鉄の通勤定期券を持っていると100円引きになります(たまプラーザ~渋谷間は100円引きで900円)。

【図解】「バス通勤時間」をどうやって「業務時間」に組み込むのか? その方法

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コメント

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2件のコメント

  1. 通勤定期所持者が多い時間帯の列車運行に費やされる経営資源を考えるとそれほどではないけど、不公平感がある。

  2. 今の鉄道会社の大不況とこの先のアフターコロナを考えると、色々とアイデアを、出さなくてはいけないから大変だよね。
    専用バス導入の是非はともかく、通勤時間を勤務時間にするという発想は良いと思う。手始めにバス車内にフリーWi-Fiにしていただきたい。それと、サブスクなら月定額で駅売店toksの弁当とかの商品を無料サービスするとかもして欲しい。