JR東日本でも全廃 「ホームライナー」は時代遅れなのか?

特急「湘南」のメリットとは? 利用者にとって JRにとって

 対し、いま「きっぷの確認(検札)」は省力化が進行。新幹線や特急列車の指定席では、車掌が各席の販売記録をチェックし、販売されていない席に人が座っている場合だけ、きっぷを確認する形に進化しました。

 新しく生まれた特急「湘南」は全車指定席。満席でも全員が適切な特急券を持っていれば、きっぷの確認をする必要がありません。

 人口減少と働き方改革の時代、そしてITの進化した時代、きっぷの確認に多くの要員がいる「湘南ライナー」のような旧来の「ホームライナー」システムは、時代遅れともいえるでしょう。また鉄道会社にとって、要員を減らせるのはコスト削減などを考えると大きいものがあります。

 ただ特急「湘南」は、乗車に必要な料金で見ると、「湘南ライナー」に比べ140円から400円の値上げになります(チケットレスサービス利用時。ただ9月30日まではキャンペーン期間中で、「湘南ライナー」より60円安い場合がある)。

Large 210317 homeliner 02

拡大画像

右側が特急「湘南」に使用されるE257系2000番台(2020年3月、伊藤真悟撮影)。

 全車指定席の特急「湘南」になったことで挙げられる利用者のメリットは、次のようなところでしょうか。

・スマホなどから簡単にきっぷを買えるようになった。
・ライナー券を求めて駅で並ぶ必要がなくなった。
・いい席を取るため駅で早く並ぶ必要がなくなった。
・車内で空席を探す必要がなくなった。

 また車両が変更され、すべてリクライニングシートになり、窓側席ではコンセントも使えるようになりました。

 旧来の「湘南ライナー」に変わり、この3月13日(土)に走り出したばかりの特急「湘南」。これらメリットと実質値上げは今後、乗客からどう見られることになるのでしょうか。

【了】

懐かし写真【首都圏なのにJR西日本!?】だった「ホームライナー」

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

6件のコメント

  1. これでは特急に格上げする理由にはなってないなぁ。
    座席定員制の快速から全席指定の快速に変更すればいいだけだもんで。
    結局は人件費削減もそうだが、併せて
    値上げが一番の目的だろう。

    • どうせ利用してないくせにいちいちケチつけるな

  2. 中央線快速にグリーン車を導入すると東京五方面すべての普通電車にグリーン車が連結される。
    それを控えて、新しい特急料金と普通列車グリーン料金を近づけたのでしょうね。
    (50キロまで:特急760円・G車780円、100キロまで:特急1020円・G車1000円)
    うがった見方をすると、ライナーという乗り得列車を廃止して「快適にすごしたければグリーン車をお使い下さい」という誘導だと思います。

  3. “すべてリクライニングシートになり……”

    元からリクライニングシートですが?

    • 185系はリクライニングシートでしたが、215系を使用した湘南ライナーもありましたよ。
      なので「すべてリクライニングシート」で合ってますね。

  4. その理由は湘南はそうだけど、中央ライナーは元から全て出来ていたことだな。
    「はちおうじ」になって、区間短縮(高尾→八王子)の上に値上げだから最悪だよ