さらば大量輸送時代 退役進むボーイングの巨人機「777」を振り返る 世界を近づけた双発機

「ジャンボ」最大の課題も一掃! 777の強さとは

 一方で、大型機ボーイング747も、コンピューターシステムを更新し、空力改善などに対応した新型機「747-400」がデビューするなど、まだまだ全盛期は続いていました。もちろん効率は大きく向上しているのですが、このモデルは「エンジン4基」というのがネックだったのです。

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JALのボーイング747-400型機(画像:JAL)。

 実は1980年代後半から、エンジン2基の「双発機」の時代が始まっていました。かつて双発機は洋上飛行に制限(60分以内に代替空港へ着陸できる範囲しか飛べない)がありましたが、エンジンの性能や信頼性が上がるにつれ、767で初めて、双発エンジン機の運航を緩和する規定が定められました。その後進となる777は設計時から「エンジン1発で、代替空港に3時間以内で着陸できる範囲まで飛べる」と担保されているような高いスペックを獲得しています。

 こうなるとボーイング777は、中長距離のポイント・トゥー・ポイントでの運航に対応しながらも、747並みの乗客を運べる機体としても運航できるようになる一挙両得のモデルとして開発されたわけです。このモデルをひと言で表すと、長距離を、亜音速で、数多くの旅客を乗せて運航できる旅客機です。多くの航空会社で、それまで747が飛んでいたような国際線の主力機として活躍します。JAL(日本航空)、ANA(全日空)も、その例に漏れませんでした。

 ただ、双発であるゆえ、搭載しているエンジンは大出力を発生するため限界まで高度化しています。結果として高い整備レベルが要求されるため、維持費がかさみます。また、旅客が少ないと、小型機を運航するのに比べて燃料消費量が多く、客室乗務員も数多く必要とするため、運航経費が余分にかかります。

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コメント

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2件のコメント

  1. B777って初期型から主翼の折りたたみ機構は提案されていた記憶が…。

    • それは間違い