電動キックボードシェアようやく本格化 ノーヘルOK 交通ルールは混沌の過渡期

ほかの電動キックボードはノーヘルNG 過渡期の風景か?

 このような特例は、Luupなど認可を得たシェア事業者の電動キックボードに限られ、その提供エリア内で認められます。しかし道路運送車両法上は一般的な公道走行可能な電動キックボードと同じ原付のため、ナンバーも原付のもの、というわけです。

 つまり、街を走る電動キックボードで、ノーヘルメットOK/NGの基準が混在することになりますが、Luupの担当者は「小型特殊にすることも一時的なもの」だと話します。

 Luupは今回、クルマが多い道路などについては自主的に走行禁止とし、アプリ上のマップで表示して利用者に迂回を促すといいます。将来的には、利用者の走行場所や、利用者の年齢に応じて、遠隔操作にて強制的に速度を抑制する仕組みも検討しているとのこと。

 さらには、速度だけでなく「立ち乗り」「座り乗り」といった形態まで、利用者の年齢に応じて変化するモビリティの導入も視野に入れています。このような仕組みを通じて「インフラとしての電動モビリティ」を構築していく構えです。

Large 210428 luup 02

拡大画像

電動キックボードのポート。自販機程度のスペースで都内300か所に整備。返却時は携帯で写真を撮って送信し、返却確認を経て決済となる(中島洋平撮影)。

 電動キックボードのシェアは世界中で普及していて、「日本が最も遅れている」とLuupの担当者は話します。加えてコロナ禍により密を避ける手段として、さらに電動キックボードが取り沙汰されてきたのは日本も同様です。

 こうした状況を受け、警察庁もこうした「自転車以上、原付未満」な電動モビリティの法的な位置づけの整理や、交通ルールの整備に本格的に乗り出しているそうです。この4月には、警察庁の有識者会議が、電動モビリティを速度によって分類し、最高15km/h以下なら免許不要とする案を取りまとめました。

 一方で、電動キックボードの違法走行も目立っており、警察庁も電動キックボードの取締りを強化することを表明していますが、現状で法整備は道半ばの過渡期といえます。Luupの担当者は「15km/hでは遅すぎて逆に危険という声もあります。電動キックボードの位置づけが法的に明確となるよう、利用者データや声を警察へ届けていきます」と話します。

【了】

【写真】一般の電動キックボードよりしっかりしてる? シェア用電動キックボード

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

3件のコメント

  1. 過去に犠牲者を出して禁止になったローラースルーゴーゴーと違ってブレーキはあるからマシですけどね。
     自転車通学の場合はヘルメット着用必須としている中学校を多く知っていますが示しがつかなくなるのではないか、とね。

  2. ローラースルーゴーゴーは「一応」ブレーキは付いてたよ。まともに止まれるかどうかはともかく。

  3. 安全のためのヘルメットが事業展開のハードルとは。
    コンプライアンスや社会的道義が叫ばれているというのに、こんな思考の企業の企みがまかり通る時代とは。こりゃいずれ犠牲者が出るな。