世界最大の戦艦「大和」46cm砲に匹敵 ドイツ巡洋戦艦の28cm砲 使い方は真逆の発想?

アメリカ戦艦を、威力と射程の両面で圧倒する目的で開発された戦艦「大和」の46cm砲。その射程は約42kmですが、これに比肩する長射程砲をドイツ戦艦も搭載していました。ただし、この砲が誕生した理由は全く別にありました。

世界一の長射程「大和」の主砲

 爆弾や魚雷を空から落とす「飛行機」が兵器として実用化されるまで、海洋での戦いは、もっぱら軍艦同士が大砲を撃ち合うのがメインでした。だからこそ、各国とも「大艦巨砲」、つまり打たれ強い大きな「船体」と、敵に大打撃を与えられる「大口径砲」を備えた軍艦の方が強いという考えに基づき、海軍力の整備を進め、競いあっていたのです。

 加えて日本の場合は、第1次世界大戦後に締結されたワシントン、ロンドンの両海軍軍縮条約により、仮想敵国として想定していたアメリカやイギリスよりも戦艦の保有数を少なく制限されました。その劣勢を挽回する目的で、敵の砲弾が届かない遠くから、こちらの砲弾を相手へ一方的に撃ち込む「アウトレンジ」という考え方を重視するようになったという側面もあります。

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旧日本海軍が誇る世界最大の戦艦「大和」(画像:アメリカ海軍)。

 このような背景から、旧日本海軍は大威力で長射程を誇る46cm砲を9門装備する大和型戦艦の建造に走ったといえるでしょう。その主砲は、秘匿のため「94式40cm砲」と呼ばれましたが、実際には戦艦の主砲として世界最大の口径(砲口の内径のこと)の46cmでした。

 最大射程は約42km。初速は約780m/秒で、砲弾重量は約1.5tありました。射程が延びれば砲弾は撃ち上げられることになり、大落下角度で上から落ちてきますが、この時、砲弾重量が重ければ重いほど、一般的には装甲貫徹力も高くなります。

 ちなみに、大和型戦艦と同時期に建造されたアメリカやイギリスの戦艦はどうだったかというと、前者のアイオワ級は40.6cm砲を、後者のキング・ジョージV世級は35.56cm砲を搭載していましたが、初速はともに約760m/秒で、アイオワ級は最大射程約39km、キング・ジョージV世級は最大射程約35kmでした。

【写真】どっちが強い? 日独の戦艦の主砲を見比べ 大和型&シャルンホルスト級

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コメント

2件のコメント

  1. この記事はやや誤解を生むのではないかと思う。

    大和の敵となる戦艦が40km弱の射程であるのに対して、42kmの射程の大和。敵国の砲弾の届かないところからと書いてあるので、38〜42km程度で戦うように読めてしまう。

    しかし、遠距離側は、重力による加速がつくので、距離が離れれば離れるほど威力が増す。
    つまり、大和がどんな装甲を施しても30km以遠であれば、敵の小口径の主砲は大和の装甲を貫いてしまうことになる。アウトレンジどころか数km距離を間違うだけで、致命傷を受けてしまう距離が遠距離砲戦(もちろん命中率は下がるが、40kmでの命中を期待してなかったのは日本海軍も同じ)

    敵の主砲では貫かれないが、こちらが貫けるというのが「真のアウトレンジ」であるわけで、この距離は対米戦艦では、大和ではおおよそ20〜28km程度になる。砲戦はいかに遠距離側で敵から貫かれてしまう(お互い)の部分を素早くくぐり抜け、この砲戦距離に潜り込むかが勝負。この距離が、日本海軍も大和で想定していた距離で、30km以遠で敵の砲弾に耐えることは設計要求にもありません。

    そして、列強戦艦の砲戦距離より近いところでの威力を重視してしまったがために、まるで役に立たない駄作になってしまったのがドイツ戦艦(霧の中で突然近距離に敵がいたというラッキーを建艦時に期待するのでなければ)

    • 全く仰る通りですね。さらに言えば、戦艦の近距離防御力と遠距離防御力は全然違うものです。
      近距離から高い初速で放たれる砲弾は戦艦の主装甲帯である側面装甲に当たります。
      が、遠距離から飛来する砲弾は初速を失い、大きな放物線を描いて落ちてくるので、その大半、6割が薄い甲板装甲に垂直に近い角度で当たります。これが遠距離砲戦の恐怖です。で、高初速、軽量砲弾は最悪で、近距離の貫通力以外に取柄がありません。遠距離でもそこそこの速度を持つ高速砲弾は甲板装甲に鋭角で当たってしまい大抵弾かれます。90度に近い鈍角で当てる為には仰る様に40キロ以上先から当てる必要があり、現実的ではない。さらに言えば軽い砲弾は遠距離では重量が無いので放物線軌道の重力加速も弱いヘロヘロ弾になってしまう、更に炸薬量も少ない。褒める所が見当たりません。最初に遠距離砲戦で英海軍に一泡吹かせたのは第一次大戦のドイツ大海艦隊です。が敗戦後にその知識、能力は散佚してしまい、第2次世界大戦時の駄目駄目ドイツ海軍を生み出します。実に、実に悲しい事です。
      良いとこ無しの駄目砲弾、駄目駄目主砲です。戦艦主砲は大口径、短砲身が最強。遠近どちらでも強大な貫通力、貫通後の大破壊をもたらします。ビバ大艦巨砲主義!!