観光型MaaS コロナ禍で見えた需要とは 東急・JR東・伊豆急の「Izuko」フェーズ3の結果【Merkmal】

東急とJR東日本、伊豆急行が、観光型MaaS「Izuko」のフェーズ3実証実験の結果を発表。利用者の年齢層や決済機能拡充などで変化が見られた。

スマホ一つで交通・観光の検索・予約・決済が可能

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「Izuko」で予約したワンボックスカーの「Izukoくろふね号」(2020年11月、恵 知仁撮影)。

 東急とJR東日本、伊豆急行は2021年4月27日(火)、観光型MaaS「Izuko(イズコ)」のフェーズ3実証実験の検証結果を発表した。

 3社は、スマートフォン一つで交通機関や観光施設などの検索・予約、チケット購入ができる観光型MaaSのサービス実験を、2019年12月から主に静岡県の伊豆地方で進めている。

 フェーズ1・2に続くフェーズ3の実証実験は、2020年11月から2021年3月までの約5か月にわたり実施。実施エリアを西伊豆や静岡・静岡空港周辺まで拡大するともに、観光商品をフェーズ2の約6倍にあたる125種に拡充。地元事業者と連携してオリジナルの観光体験を用意するなど、質・量ともに進化させた。また、事前購入機能の導入や会員登録時の認証、決済方法の選択肢を増やすなど、利用者の利便性向上も図った。

 しかしこれらの取り組みの一方で、フェーズ3のチケットは、2020年12月からのGoToトラベルキャンペーンの停止、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出、それに伴う観光・宿泊施設の休業などが重なり販売数が低迷した。2月の、静岡県内での新型コロナ警戒レベルの引き下げや河津桜の開花以降は利用が伸び、緊急事態宣言解除後に利用者は大幅に増加した。結果、期間中の累計販売数はフェーズ2より1474枚少ない3647枚だった。

 利用者はメインターゲットとする若年層の割合が増加。フェーズ2は割合の多い順に40代男性(19%)、30代男性(18%)だったが、フェーズ3は20代男性(18%)、20代女性(16%)となった。

 利用者の居住地は、フェーズ2とほぼ変わらず、東京・神奈川が約6割だった。

 新導入の事前購入機能は、交通チケットの44%、観光チケットの16%で利用された。会員認証で新たに加わったLINE IDは8%、楽天IDは6%、決済方法でクレジットカードのほかに加わった楽天ペイは16%、モバイルSuicaは14%だった。

 AIオンデマンド交通「Izukoくろふね号」は利用が低迷するも、新たに停留所を設定した宿泊施設を発着する利用が全体の13%を占め、需要が確認された。

 3社はこの実証実験の結果を踏まえ、社会実装を含め、持続可能な運営体制や収益確保に向けて検討を進めていくとしている。

【了】

提供:Merkmal
「Merkmal(メルクマール)」とは……「交通・運輸・モビリティ産業で働く人やこの業界へ進出したい人が、明日に役立つ気づきを得られるニュースサイト」として発足しました。MaaS、CASE、環境への対応、自動運転技術など、変革著しい交通・運輸・モビリティ産業にまつわる最新ビジネス情報を独自の視点で発信しています。

【グラフ】フェーズ3におけるチケット販売数の推移

Writer: Merkmal編集部

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コメント

2件のコメント

  1. フェーズ2の時にIzukoを使いましたが、駅の改札や路線バス使うときにいちいちスマホを立ち上げたりするのが面倒で紙の切符のが楽でしたし、伊豆半島はそこそこ路線バスもあるし、宿の送迎もあるので、南伊豆フリーキップのが使い勝手良かったかなぁと言うのが個人的感想。

  2. この程度の参加社ではMaaSとは「自社エリアに観光客を囲い込むためのアプリ」のことと誤解されそうだ。