車内販売ワゴン なぜ行きすぎて戻るのか ユラユラしてるのか 新人パーサー研修を取材
ユラユラしているように見えるパーサー もちろん理由がある
車内販売のワゴンは大きいため、その前方の下付近はパーサーにとって死角になります。そのため、販売を終えて再びワゴンを動かすとき、そのまま前に進めると、その死角を確認しないまま前に進めることになってしまいます。
万が一、ワゴンの死角に乗客の物や足があっては大変です。そこでいったんバックして、前方下の死角に問題がないことを確認してから、ワゴンを前に進めるのだそうです。
車内販売でワゴンを押すパーサーが、身体を左右に少し揺らしながら進んでいる姿も見られますが、これもワゴン前方下の死角をチェックするためです。
コーヒーの入れ方、ワゴンの押し方をはじめ、様々な基本動作がある東海道新幹線のパーサー。コロナ禍のため集まるのが難しいなか、東海道新幹線の車内販売を担当するジェイアール東海パッセンジャーズでは、オンライン教育も活用するなどして研修を進めているとのこと。
「私は店員さんを呼ぶのが苦手なタイプなので、そうしたお客様の声に気づけるパーサー、お声をかけていただきやすいパーサーになりたいです」(新入社員の樋口 麗さん)
「人の喜ぶ顔を見るのが自分の喜びで、パーサーはそれができる仕事です。多くのお客様に喜んでいただけるサービスを提供したいです」(新入社員の廣瀬冴子さん)
ジェイアール東海パッセンジャーズは2021年度、約200名のパーサー職社員を採用。4月1日の入社後、約2か月間の研修を行い、6月中旬の独り立ちを目指します。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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