自転車の子乗せ「6歳になったら違反」解消の動き 全国で交通ルール見直し その背景
自治体関係者も困っていた6歳ルール 改正の動きの背景
「幼稚園や保育園の送迎で自転車を使っているのに、6歳の誕生日がきたら乗せられなくなることが、ずっと問題視されていました」
こう話すのは、子乗せ自転車の安全啓発活動を行う「おやこじてんしゃプロジェクト」代表の宮本直美さんです。6歳ルールを「就学まで」に変更する動きはあるものの、やはり都道府県で異なるため、詳細は改めて確認してほしいといいます。
「6歳で乗せられなくなることを知った親御さんからは『どうしたらいいんだ』という声がある一方、交通ルールを教えるイベントでこのことを質問された自治体の担当者が答えに詰まるケースもありました」(宮本さん)
6歳ルールは昔から存在していたといい、これを見直す動きの背景に、自転車で幼稚園や保育園の送迎をする人が増えていることがあると宮本さんは話します。
要因として、2009(平成21)年の法改正で自転車の前後に子どもを乗せての3人乗りが可能になったことや、電動アシスト自転車の性能が上がってきたこと、クルマでの送り迎えは駐停車が問題になりやすいことなどが挙げられるといいます。
「その分、子どもを乗せた自転車の転倒や、加害者になる事故も増えているほか、ルールを知らない、あるいは知っていても知らんぷりをして、小学生以上の子どもを乗せているケースも多々見られます。チャイルドシートには耐荷重が定められており、それを超えての乗車は危険です」(宮本さん)
自転車は免許制でないため、個々の安全意識を高める必要があると宮本さんは話します。ある意味グレーだった6歳ルールを就学までに改正する動きが、子乗せに関するルールの周知につながるかもしれません。
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