JMU舞鶴 最後の新造船を引き渡し 1世紀にわたる新船建造に幕
日本海側の老舗造船所が新造船事業を終えました。
中国や韓国との競争激化が背景に
造船大手のJMU(ジャパン マリンユナイテッド)は2021年5月26日(水)、舞鶴事業所(京都府舞鶴市)において建造していた次世代省エネ型ばら積み貨物船(バルクキャリア)「SAKIZAYA VICTORY(サキザヤ ビクトリー)」を、発注元である「SAKIZAYA VICTORY S.A.(サキザヤ ビクトリー エスエー)」に引渡したと発表しました。
「SAKIZAYA VICTORY」は、全長229m、幅32.26m、深さ20.20m、喫水14.578m、載貨重量約8万2400トンのパナマックス船(パナマ運河を通航可能な最大サイズ船)です。ディーゼルエンジンを1基搭載し、航海速力は14.5ノット(約26.85km/h)、乗員は25名で、船籍はリベリアとのこと。なお同船はJMU舞鶴事業所で建造・引渡しする最後の新造商船となります。
すでにJMUは、世界の新造商船市場において船腹(積載)量過剰と供給力過剰があるなか、中国および韓国の大手造船会社の再編が進んだことで、日本の造船業界を取り巻く環境は厳しさを増しているとして、事業の集約再編を図ると発表。その一環で舞鶴事業所については、艦船の修理事業に特化させることを決めていました。
今回の新船引き渡しをもって、JMU舞鶴事業所は、元となった旧日本海軍の舞鶴海軍工廠時代から数えて100年以上の新造船建造に幕を閉じたことになります。
【了】
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