「飛鳥II」後継の新クルーズ船建造へ 2025年就航 地銀がこぞって応援のワケ

郵船クルーズの豪華客船「飛鳥II」の後継となる新造船の計画が発表されました。従来船よりも定員を減らし、よりラグジュアリーになるという新造船。コロナで大きな打撃を受けたクルーズ業界の起爆剤になるでしょうか。

部屋数減らしてラグジュアリーに

 日本郵船グループの郵船クルーズが2021年3月31日(水)、新しい客船の建造計画を発表し、記者会見を行いました。

 新造船は郵船クルーズが運行するクルーズ船「飛鳥II」の後継です。船の大きさの目安となる総トン数は5万444トンから5万1950トンにアップ。日本船籍の客船としては最大になるものの、航行性能を高めるため船首がやや短くなったほか、喫水も7.8mから6.7mと浅くなることで停泊可能な港が増え、これまでにないコースも設定できるといいます。

 一方で、乗客定員は872名から約740名に削減。これにより乗客1人当たりのスペースは世界でもトップクラスの広さを確保しているそうです。全客室にバルコニーを配すほか、船内レストランやカフェ、バーは15か所以上。船首に向いた展望露天風呂も備えます。wi-fiも充実させ、ワーケーション需要にも応えるのとこと。

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郵船クルーズ新造船のイメージ(画像:郵船クルーズ)。

 世界的にクルーズ船は大型化もしくは小型化いずれかの2極化する傾向にありますが、郵船クルーズの坂本 深社長は、「大きい船を作るつもりは最初からなかった」と明かします。「寄港地で下船して、シャトルバスで市街地へお送りするような場合、『飛鳥II』の定員を上回ると手配が厳しくなることを経験値として持っています。740名、このくらいのサイズが適当でしょう」とのこと。

 また、新船は環境性能も特筆すべき点で、エンジンはLNG(液化天然ガス)、ガスオイル、低硫黄重油と3種類の燃料に対応。錨を下ろさず船を停める機能を有し、海底植物の損傷も防ぐといいます。いずれも日本船籍の客船では初の技術だそう。もちろん感染症対策も強化されており、100%外気取り込み方式の換気システムや、タッチレス対応エレベーターなどの設置も予定しているそうです。

【画像】新造クルーズ船の客室イメージ

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コメント

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1件のコメント

  1. 期待して内装を拝見しましたが、良くも悪くも従来どおりの日本的な内装ですこし残念でした。
    外洋の船旅ならばもっと重厚な欧州系にするか、日本的でゆくならばもう少し特徴を出したものを
    期待します。
    清潔感はあるが画一的でつまらなく安っぽい。