JR東海と深い関係「山口蓬春記念館」とは 文化勲章の日本画家 吉田五十八の建物
JR東海生涯学習財団が、日本画家「山口蓬春」の記念館を運営しています。なぜ鉄道会社が運営に関わることになったのでしょうか。その記念館は山口蓬春の自宅を使ったもので、「制作空間」を感じられるのも大きなポイントです。
開館は平成初期
公益財団法人のJR東海生涯学習財団が、御用邸などで知られる神奈川県葉山町で「山口蓬春記念館」を運営しています。
山口蓬春(やまぐちほうしゅん)は1893(明治26)年に生まれ、東京美術学校(現在の東京藝術大学)では西洋画科から日本画科へ転科し、首席で卒業。戦後、日本画へフランス近代絵画の解釈を取り入れた知的でモダンなスタイルを確立し、1965(昭和40)年に文化勲章を受章。1968(昭和43)年には皇居新宮殿の杉戸絵「楓」を完成させました。そして1971(昭和46)年、葉山町の自宅で亡くなっています。
なぜJR東海の財団が、日本画家の記念館を運営しているのでしょうか。
かんたんにいうと、平成初期にJR東海が社会貢献活動を行うにあたって、当時の社長である須田 寬さん(現・JR東海 顧問、「鉄道友の会」会長)の父親が洋画家だった縁から、そのとき作品が散逸する可能性もあった山口蓬春の記念館を運営することになったそうです。
記念館は1991(平成3)年、葉山町の山口蓬春自宅に開館。その作品や、モチーフになった陶器などが展示されているほか、山口蓬春が暮らし、作品を生み出した空間そのものを感じられるのも、大きな見どころになっています。
「国鉄逗子海の家」が気になる。隣は京急海の家だったとか、もっと遡ると湘南電鉄が金沢八景に海の家を持っていたとも(いつまで?)。