SF映画チックなANAグループの「新たな乗りもの」本始動へ前進 「avatarin」サービス ベータ版提供へ

テーマは「瞬間移動」です!

アバターロボット「newme」も刷新

 航空会社のANA(全日空)などを傘下に持つ、ANAホールディングスが注力している飛ばないビジネス、いわゆる「ノンエア」事業が、この夏大きな進展を迎えそうです。この新たなサービスについて、2020年に創立された同グループのスタートアップ企業avatarin(アバターイン)社の深堀 昂CEO(最高経営責任者)は「瞬間移動できる、新たな乗りものだ」――そう評します。

 avatarin社が手掛けているのは遠隔操作ロボットの「newme(ニューミー)」を用いて、「遠隔地をその場にいるかのように、見て、聞いて、動き回れる体験を可能にする世界初の瞬間移動サービス」です。ANAホールディングスの「アバター準備室」だった時代から「newme」を用いて、実用化に向けさまざまな実証実験を重ねてきた同社が、2021年秋から使用後に利用者からの意見を集めてサービス向上を目指す試用版「ベータ版」を、今秋より提供開始すると7月15日(木)に発表しました。

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「avatarin」サービス発表会の様子(2021年7月15日、乗りものニュース編集部撮影)。

 同社が手掛ける「avatarin」サービスは、7月15日より法人向け利用プランの予約受付を開始。体験型商品の販売を目的として「newme」および「avatarin」プラットフォームを利用できる「パブリックプラン」、業務利用を主な目的として、会社や組織など限られたメンバーで「newme」を利用する「プライベートプラン」、2つが用意されています。

 またこの日、量産型の「newme」も公開されました。大分県の工場で作られたメイド・イン・ジャパンとなっており、「見た目こそこれまでの試作版とほとんど変わりないものの、ネジ1本にいたるまで従来と同じ部品はなく全く新しいものとなっています」(avatarin社)といいます。走行性能・安全性の改善、ステレオカメラの搭載や稼働時間の増加など、各スペックをアップデートしているとのことです。

「私たちが目指すのは、まさに映画の『アバター』のような世界です。飛行機をはじめとする既存のモビリティは自分の体を移動させますが、この『avatarin』サービスは存在それ自体を伝達することで、まったく違う空間で存在することができる”新しい乗りもの”といえるでしょう。非常にサスティナブルで、体を移動できない人も使え、気軽に移動ができるサービスです。寝る前に少し宇宙旅行に行くことでさえ可能で、人類のあらゆる可能性を広げていくものになると思います」(avatarin社深堀 昂CEO)

 なお、「avatarin」サービスはこれに先駆け、夏休み期間に、箱根ガラスの森美術館(神奈川県)、屋島水族館(香川県)など4施設を見学できる、限定のベータ版のトライアルキャンペーンを無料で実施するとしています(利用には条件あり)。

【了】

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