デカすぎて困る!? ロイヤルカリビアンのドデカ客船列伝 「世界最大」相次ぎ更新

日本では「デカくなりすぎてどうしよう」問題

 ロイヤルカリビアンの船が世界最大を記録する前、世界最大の客船を運航していた会社としては、イギリスの「キュナードライン」が知られます。同社が1969(昭和44)年にデビューさせた「クイーン・エリザベス2」、その後継として2003(平成15)年に登場した「クリーン・メリー2」とも、当時の世界最大でした。

 なかでも、長期に渡って世界最大の豪華客船の地位に君臨していたのが「クイーン・エリザベス2」です。同船をはじめとした当時の世界最大クラスの船は、現在の横浜ベイブリッジやレインボーブリッジにおける高さの基準にもなっていますが、これが、後々に尾を引く課題にもなっています。

 たとえば横浜港のメインターミナルである大さん橋埠頭の長さは450mですが、巨大船舶はそのぶん高さもあるため、大さん橋埠頭に着く前に存在するベイブリッジを通過できないという問題が発生してしまいます。海上からベイブリッジまでの高さは約55mで、現行「クイーン・エリザベス」が過去に横浜港へ寄港した際は、海面が低くなる時間帯を狙って橋をくぐっていたほど。客船の大型化にともない、ベイブリッジをくぐれないものも増えているのです。

 このため、ベイブリッジをくぐれない船を迎え入れる際は、ベイブリッジよりも手前(海側)にある大黒ふ頭が利用されます。また東京にも、レインボーブリッジより陸側にある晴海客船ターミナルに代わる「東京国際クルーズターミナル」が2020年、お台場にオープン。レインボーブリッジをくぐらない場所にあり、「世界最大の客船に対応」とうたっています。

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現行クイーン・エリザベス。2010年デビュー(画像:キュナードライン)。

 ちなみに、ロイヤルカリビアンは「シンフォニー」よりさらに6000トンほど大きい「ワンダー・オブ・ザ・シーズ」を2022年3月に就航予定で、「世界最大」はまたも塗り替えられる見込みです。また、日本の郵船クルーズも「飛鳥II」の後継となる船の建造を発表していますが、日本では新型コロナウイルスの影響でクルーズ船は逆風吹き荒れたまま。豪華客船ブームは、近いうちに再来するのでしょうか。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. ”重さは同じく東京タワーの約6倍。”
    これは事実ですか?船の重さはどこから調べたのですか?
    因みに総トン数は重さ(質量)ではなく容積を表したものであるのは当然ご存じですよね!?