発売から40年 カワサキ「Z1000MKII」が超絶プレミアバイクのワケ 名車系譜の「有終の美」

Z1最終継承者"角ゼット"「Z1000MKII」が短命に終わった理由

「Z1000MKII」は「Z1」の優れた基本設計は継承しつつ、直線を基調としたスタイルに一新。丸みのあるデザインだった「Z1」とは対照的なことから「角ゼット」とも呼ばれています。1015ccの大排気量エンジンに加え、前モデルの「KZ1000」から出力をさらに約10馬力向上させた、カワサキが培ってきた"Z"のギミックが詰まったマシンでした。

 では、なぜ「Z1000MKII」は販売期間がわずか2年という短命に終わったのでしょうか。それは1970年代後半に、日本の各メーカーがZ1の後を追って大排気量ロードスポーツ市場に参入してきたことが関係しています。

 この頃、スズキ初の4ストローク車で完成度の高さが話題となった「GS750」や、ヤマハの代名詞的な存在である「SR」シリーズの初号機「SR500」が誕生しています。バイクメーカー各社が性能向上を競い合う中、「Z1000MKII」は販売末期には性能で他社のバイクに遅れを取るようになってしまい、1980年のモデルチェンジにおいて生産が終了することとなりました。

 しかし、ロードスポーツバイク界の先駆けとなったZシリーズ、その系譜のラストモデルとして愛好するファンは今も多く、市場に出回るわずかな現存車に、大きな価値が見出されているのです。

【了】

【もはや伝説「Z1000MKII」の勇姿とそのライバルを見る】

Writer: 山崎大悟

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