海外邦人救出 自衛隊はどう臨むの? 装備 システム…輸送機だけじゃないその「備え」
2021年8月、自衛隊はアフガニスタン情勢を受け、邦人輸送のためC-2輸送機など航空機と人員を派遣しました。こうした事態に対処するため自衛隊では、艦艇や車両の備えはもちろん、拠点やシステム構築の訓練などもなされています。
備えていたからこそ 自衛隊 海外邦人救出へ
2021年8月15日、アフガニスタンの首都カブールの状況は尋常ではありませんでした。事実上の無政府状態となり、多くの人が国外脱出しようとカブール国際空港に集まり、輸送機に群がる動画は世界に衝撃を与えました。もっともこの映像は、アメリカの敗北を印象付けるタリバンの宣伝用ヤラセ動画の可能性も指摘されています。
今回のアフガニスタンの事案で日本政府は、8月23日に国家安全保障会議(NSC)を開いて、現地に残留する日本人らを退避させるための自衛隊機派遣を決めます。C-130輸送機2機、C-2輸送機1機、B-777特別輸送機1機、航空自衛隊と陸上自衛隊で編成された統合任務部隊の人員約260名が派遣され、隣国パキスタンのイスラマバードに活動拠点を設置します。26日にアフガニスタン人14人、27日に日本人1人の計15人をパキスタンに輸送し、31日に自衛隊の輸送任務は終了しました。
今回の輸送任務では、救出した人数やレスポンスが話題になっていますが、ともかくもすぐに派遣が可能だったのは、2015(平成27)年9月19日に平和安全法制の「在外邦人等保護措置」が可決されており、防衛大臣が準備命令を出していたからです。自衛隊はこうした派遣に備え、陸海空部隊を待機させていました。
しかし今回のような任務は、輸送機をただ飛ばせばよいというのものではありません。外務省や防衛省・陸海空自衛隊の関係機関が綿密に連携し、外国政府や機関とも調整が必要な複雑なミッションなのです。
自衛隊はあくまで政府の命令を実行する「道具」で、法の範囲内で任務を行うだけです。自衛隊の「邦人等の保護措置」および「輸送任務」は、どのような装備やノウハウがあるのかを見てみようと思います。
焦眉の急
台湾24000人
韓国39000人
全員が脱出を希望はしないだろうが、何回往復すれば良いのだろう?