海外邦人救出 自衛隊はどう臨むの? 装備 システム…輸送機だけじゃないその「備え」

こうした時に自衛隊はどんな装備を備えているの?

 今回の任務では航空自衛隊C-130輸送機、C-2輸送機、B-777特別輸送機が派遣されました。C-2やB-777は避難者などの輸送任務を行うことが想定されており、国際線旅客機と同じ国際航空路を高高度長距離巡航できる能力を持っています。C-130は航続距離、速度、積載量ではC-2やB-777に劣りますが、世界中で多く使われている輸送機で、丈夫な降着装置を備え未舗装の比較的短い滑走路でも運用できること、荷役作業が容易なこと、派遣先でも補給整備のサポートを受けやすく使い勝手が良いという特徴があります。

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海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」。エアクッション艇を搭載できる(画像:海上自衛隊)。

 また、こうした任務においては海上自衛隊の艦艇も使用が想定されています。「おおすみ」型輸送艦にはエアクッション艇が搭載され、固有の艦載機はありませんがヘリコプターの発着も可能で、港湾施設が使えなくでも人員や荷物の輸送が行えます。艦内に野外手術システムなどを展開すれば医療機能も増強することができます。

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避難者の陸上輸送を任務とする輸送防護車。タレス・オーストラリア社製「ブッシュマスター」装甲車で日本に8台しかないレア装備(2016年12月15日、月刊PANZER編集部撮影)。

 陸上自衛隊ではCH-47JA輸送ヘリ「チヌーク」、軽装甲機動車、輸送防護車などがこうした事態にあたります。今回のアフガニスタンの件では、外務省やJICAが避難者を空港に送るためバス27台を用意して避難準備を進め、アメリカ軍を介してタリバンとカブール国際空港までの通行の調整をしていたとされています。しかし8月26日に自爆テロが発生し、混乱の中で避難ができなくなりました。軽装甲機動車や輸送防護車はC-2やC-130で空輸可能ですので、こんな時こそ現地に持ち込んで救出作戦に使用できればと思いますが、実際には法的な制約や状況などによりそう簡単ではありません。

【写真】押し寄せる群衆も想定済み 自衛隊の対応は ほか

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コメント

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1件のコメント

  1. 焦眉の急 

    台湾24000人 

    韓国39000人 

    全員が脱出を希望はしないだろうが、何回往復すれば良いのだろう?